「人権を考える市民の集い」に参加してきました。
講演会の講師は勝間和代さん。駐車場はすでに満車。勝間さんの人気の高さがうかがえます。
講演会のキーワードは「多様性」と「我慢しすぎ」。
それでは講演会の要点を簡単にまとめてみます。
箇条書きで失礼します。
人は五感で感じる。感覚的にわからないことは絶対わからない。
多くの人が、我慢してイライラがたまり、気分が下がる。手っ取り早く気持ちを上げるために、依存性薬物に頼ってしまう。
依存性薬物とは、アルコール、ニコチン、カフェイン、砂糖。この習慣を続けると健康を害してしまう。
今は良くても、10年後、20年後に影響がでてくる。
人間は五感で考える。だから10年後など感覚的にわからない事は絶対わからない。
頭で考えるのは後付け。実は先に感じている。
人は五感で感じる。だから、考え方は人それぞれ。他人も同様。そのことを理解しておく必要がある。
市場経済と人権問題
市場は常に利益を追求する。これは仕方のないことだか、そこでは、従業員を使い捨てのように酷使して利益を上げるようとするブラック企業もある。
でも社会が経済的に豊かになることは必要。
なぜならば、国が豊かになっていくと、倫理的になっていくから。国民への配慮の余裕が生まれてくる。
経済発展と倫理的な部分のバランスをどう考えていかのかは難しい問題だがきちんと考えていく必要がある。
人の能力のほとんどは環境要因や遺伝できまる。
遺伝が知能に与える影響はなんと7〜8割。つまり70%以上が遺伝で決まる。
人の能力のほとんどが環境要因、遺伝で決まる。例えば100メートルを15秒でしか走れないのに11秒で走れと言われたとしても、絶対に無理。運動能力は遺伝の要素がほとんど。知能も同様。
他にも、コミニュケーション能力も先天的である。コミュニケーションが苦手な人にとっては学校や会社ではものすごく生きづらい。
私たちは偏見の塊。生まれて育ってきて感じた事しかわからない。
無意識の偏見というものがある。
オーケストラでメンバーを採用する際、なぜか白人ばかりが採用される。黒人や女性は何度受けても落ちてしまう。技術は変わらないのに。そこでオーディションの際カーテンを引いてテストをするようにした。すると黒人も採用されるようになってきた。
高い寿司屋に行った際、60代ぐらいの白髪の混じった男性の握った寿司、35歳の女性の握った寿司、27歳のインド人男性が握った寿司。味は全く一緒でも感じ方が変わってしまう。
優秀である事は素晴らしいと言う偏見が存在する。人間は存在してることそのものが善であるはずなのに。
シングルマザーはかわいそう、これも偏見。両親が揃っているのは幸せと言う偏見だ。
今の日本は階級社会
日本では、金持ちが金持ちになっていくシステムになっている。事業継承の際、税金がかからない。つまり老舗が残る。
日本では、生まれた階級にとどまる確率が80%。
所得の再分配ができていない。政治を変えていく必要がある。
簡単な方法が、教育費の無料化。
明日に向かってできること
①多様な相手のことをまずは知る。
相手を知ることによって、無意識の偏見の排除が可能になる。いきなり知らない人に会うのは厳しいので、友達の友達を紹介してもらう。
刑務所にいる人間は怖いというのも偏見。これもきちんと話してみればなぜ捕まったのか話を聞くことで偏見を排除することができる。
②社会のリーダーを意図的に多様にする。
政治への参加。意見を言うことが大切。
③弱みを共有できる場を作る。
心理的に安全な場所を増やす。心配な人にはちゃんと声をかけてあげる。
④できる事は気負わずになるべく実行する。親切は特効薬。
親切は自分のためにする。親切にすると自分も健康になれる。良いことをするとストレスが解消されるから。ただし自分を犠牲にする親切はだめ。
1時間半の講演会でしたが、あっという間でした。
最後の「明日に向かってできること」は、今すぐにでも始められるものばかりです。
もっともっと生きやすい社会になってほしいですね。