数学

【これでできる!】2次関数の平方完成で中カッコ{ }を使わない方法

・2次関数の平方完成が定着しなくて困っている

・中かっこ\( \{  \}\) を使うと混乱してしまう

こんな悩みを解決します。

「平方完成」は、高校1年生の数学I「2次関数」の分野で習います。

平方完成は主に2次関数のグラフの頂点を求めるときに必要な手法ですが、少し変わった式変形が必要であるため、苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか?

特に、\( 2x^2-12x+7\)のように,\( x^2\)の係数が1以外の場合、中かっこ\( \{  \}\)を使った式変形が必要であり、混乱してしまうケースも多くみられます。

そこで、本記事では、2次関数の平方完成において、中カッコ\( \{  \}\) を使わない方法を2つご紹介していきます。

平方完成でつまずいている人の参考になれば幸いです。

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✔︎本記事の内容

・教科書の方法を確認

・\( \{ \}\) を使わずに平方完成をする方法1

・\( \{ \}\) を使わずに平方完成をする方法2(実践的方法)

✔︎本記事の対象読者

・数学Ⅰを学んでいる高校生や一般の方

・学校や学習塾等で数学Ⅰを教えている先生方

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それではまず「平方完成」とは何なのかから見ていきましょう。

平方完成とは

平方完成とは\(x\) についての2次式を

\[ (x+□)^2\]

を含む形に変形することです。

主に2次関数のグラフの頂点を求める際にこの式変形を用います。

【平方完成の例】

\( 3x^2+6x+5=3(x+1)^2+2 \)

「平方」は「2乗」を意味しますが、この変形によりカッコの2乗の形が完成するため、平方完成と呼ばれています。

平方完成をすることでカッコ内の式が1次式になるのがポイントです。

ちなみに教科書で「平方完成」という言葉が使われることはなく、

「\( \; a(x+p)^2+q \; \)の形に変形せよ」といった問われ方が一般的です。

教科書にはありませんが、多くの教育現場で「平方完成」という言葉が使われています。

名前がついていた方がわかりやすいですよね!

 

それでは、まずは教科書で紹介されている平方完成のやり方を見ていきましょう

教科書の方法を確認「平方完成」

ここでは、教科書で紹介されている方法をできるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。

\(x^2\) の係数が1の場合

まずは\(x^2\) の係数が1の場合を考えましょう。

【問1】

\(x^2+4x\) を平方完成しなさい

\((x+□)^2\) の形をつくることが平方完成でしたね。

この形を作るために、まずは□の中には次のように\( x\) の係数の半分の数を入れます。

今回の問題では\( x \) の係数は4なので、その半分の2を□の中に入れるとうまくいきます。

\[ (x+2)^2 \]

実際にこの式を展開してみましょう。

乗法公式\( (a+b)^2=a^2+2ab+b^2\) により

\[ (x+2)^2=x^2+4x+2^2 \]

となり,元の式\(x^2+4x\)がでてきます!

ところが、\( 2^2\) が余分に出てきてしまっていますね。

そこで、\( (x+2)^2\) から\( 2^2\) を引いておくことで、元の式と等しくなります。

\begin{align*}
x^2+4x&=(x+2)^2-2^2 \\
&=(x+2)^2-4
\end{align*}

これで完成です!

問1のように,数字の部分の項(定数項)がない場合は、

\( (x+□)^2-□^2 \) の□に,\( x\) の係数を2で割った数を入れてあげれば式変形が完了します。

続いて、数字の部分の項(定数項)がある場合を考えてみましょう。

問2

\( x^2+8x+7\) を平方完成しなさい

定数項(この問題では7)がある場合は、定数項は式変形の過程ではそのままにしておいて、最後のところで計算をします。

\( x\) の係数8を2で割った数は4なので

\begin{align*}
x^2+8x+7&=(x+4)^2-4^2+7 \\
&=(x+4)^2-16+7\\
&=(x+4)^2-9
\end{align*}

定数項の7は最後に計算です。

\( x^2\) の係数が1以外の場合

それでは次に,\( x^2\) の係数が1以外の場合について見ていきましょう。

問3

\( 3x^2+12x+10\) を平方完成しなさい

\( x^2\) の係数が1以外の場合、まずは最初の2項を\( x^2\) の係数でくくります。

この問題では、最初の2項\( \; 3x^2+12x \; \) を\( x^2\) の係数3でくくります。

\begin{align*}
3x^2+12x+10=3(x^2+4x)+10
\end{align*}

次に(  )の中の\( x^2+4x\) を平方完成します。

平方完成した結果は\( x^2+4x=(x+2)^2-2^2\) と( )を含むので,最初の( )は中かっこ\( \{  \}\) に変更しておく必要があります(次式の2行目)

\begin{align*}
3x^2+12x+7&=3(x^2+4x)+10\\
&=3\{ (x+2)^2-2^2 \} +10
\end{align*}

次に、\( \{ \}\) の前にある3を分配して\( \{ \}\) をはずします(次式の3行目)

\begin{align*}
3x^2+12x+7&=3(x^2+4x)+10\\
&=3\{ (x+2)^2-2^2 \} +10\\
&=3(x+2)^2-3\times 2^2+10
\end{align*}

最後に数の部分を計算して完成です(次式の4行目)

\begin{align*}
3x^2+12x+7&=3(x^2+4x)+10\\
&=3\{ (x+2)^2-2^2 \} +10\\
&=3(x+2)^2-3\times 2^2+10\\
&=3(x+2)^2-2
\end{align*}

この方法に忠実にしたがって練習すれば問題ないのですが、式の扱いに慣れていない
と\( \{ \}\) をはずすところで混乱してしまったり、\( \{ \}\) を使わないで失敗するケースがよくあります。

\( \{ \}\)を使わずに平方完成をする方法1

それでは\( \{ \}\) を使わずに平方完成する方法をご紹介します。

準備としてまずは\( x^2\)の係数が1の問題から始めます。

問1

\( x^2+4x\)を平方完成しなさい

先ほどとは少し違う方法を使います。(本質的には同じです)

やり方は「\( x\) の係数の半分の2乗を、この式に加えて引く」というものです。

この問題では(4の半分の2乗)である\( 2^2\) を加えて,引きます

\[ x^2+4x=x^2+4x+2^2-2^2 \]

すると,最初の3項\( x^2+4x+2^2\) が\( (x+2)^2\) と因数分解できます。
(公式\( a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\) を用いました)

\begin{align*}
x^2+4x&=x^2+4x+2^2-2^2\\
&=(x+2)^2-2^2
\end{align*}

最後に\( 2^2\) を計算して
\begin{align*}
x^2+4x&=x^2+4x+2^2-2^2\\
&=(x+2)^2-2^2\\
&=(x+2)^2-4
\end{align*}

(注)(\( x\) の係数の半分)\( ^2\) を加えて,引くという説明をしている教科書もいくつかあります。

続いて,\( x^2\) の係数が1以外の場合をみていきましょう。

先ほどと同じ問題を扱います。

問2

\( 3x^2+12x+10\) を平方完成しなさい

最初の2項\(\;  3x^2+12x\; \) を\( x^2\) の係数3でくくるところまでは先ほどと同じです

\begin{align*}
3x^2+12x+10=3(x^2+4x)+10
\end{align*}

このあと,( )内の\( x^2+4x\) に(\( x\) の係数2の半分)\( ^2\) を加えて,引く操作をします。

\begin{align*}
3x^2+12x+10&=3(x^2+4x)+10\\
&=3(x^2+4x+2^2-2^2)+10
\end{align*}

続いて,( )内の式を\( \: x^2+4x+2^2\; \) と\( \; -2^2\; \) と分け,カッコの前にあす数3をそれぞれに分配します。

\begin{align*}
3x^2+12x+10 &=3(x^2+4x)+10\\
&=3(x^2+4x+2^2-2^2)+10\\
&=3(x^2+4x+2^2)-3\times 2^2+10\\
\end{align*}

\( \; x^2+4x+2^2 \: \) を\( (x+2)^2\) と因数分解し,\( -3\times 2^2+10\) を計算すれば終了です。

\begin{align*}
3x^2+12x+10 & =3(x^2+4x)+10\\
&=3(x^2+4x+2^2-2^2)+10\\
&=3(x^2+4x+2^2)-3\times 2^2+10\\
&=3(x+2)^2-2\\
\end{align*}

\( \{ \}\) を使わないで平方完成ができました!

※少しトリックを使っていますが気にしないでください(笑)

\( \{ \}\) を使わずに平方完成をする方法2

大学入試ではこちらの方法が実践的です!

途中の式を書かずに、暗算を多めに使えば\( \{ \}\) を使わずに済みます。

同じ問題で考えてみましょう。

\( 3x^2+12x+10\) を平方完成しなさい。

\( \; ax^2+bx+c\; \) を平方完成した式は\( \; a(x+□)^2+〇 \; \) という形になるという事実を使います。

今回の問題だと\( \; 3(x+□)^2+〇 \; \) の形になります。

 

まずはじめに、□にあてはまる数を決めます。

この記事の一番最初の説明(教科書の方法)をもう一度見てください。
\begin{align*}
3x^2+12x+7&=3(x^2+4x)+10\\
&=3\{ (x+2)^2-2^2 \} +10\\
&=3(x+2)^2-2
\end{align*}

この結果から□には2が当てはまることがわかりますが、この2はどのようにして求まったのでしょう?

まず最初の式変形では,\( x\) の係数12が3でくくられて4になります。

つまり\( 12\div 3=4\) です。

ここで求まった\( x\) の係数4が半分になり,□に入る値\( \; 2 \;\)が求まりました。

つまり\( 4\div2=2\) です。

まとめると,□にあてはまる数は,\( x\) の係数を\( x^2\) の係数で割り、さらに2で割ることで求まります。

\[ □=12\div 3 \div 2=2 \]

 

次に\( 3(x+□)^2+〇\) の〇の部分を求めます。

今回の□は2でしたので,

\[ 3(x+2)^2+○ \]

と表せます。

ここで,\( \; 3(x+2)^2\; \) の定数項を求めると,\( 3\times 2^2=12\) となるので,〇に\( -2\) を入れると定数項は10となり、もとの式の定数項と一致します.

(もとの式は\( 3x^2+12x+10\) でした)

これで、\( 3x^2+12x+7=3(x+2)^2-2\) が\( \{ \}\) を使わずに求まることができました!

まとめます

中カッコを使わずに平方完成する方法2

\( ax^2+bx+c\) の平方完成(暗算)

1. \( x\) の係数\( b\) を\( a\) で割り、さらに2で割ったものを次の□に代入する
\[ a(x+□)^2\]

2. 上の式の定数項\( a\times □^2\) を計算し、ここに数字を加えることで、元の式の定数項\( c\) になるように調整する

次の問題をこの方法で解いてみましょう.

\( 4x^2+8x+9\) を平方完成しなさい。

まずは\( 4(x+□)^2+○ \)の□に入る数を計算します。

\[ 8\div 4 \div 2=1\]

より,□には1が入ります

\[ 4(x+1)^2\]

次に,上の式の定数項を計算すると\( 4\times 1^2=4\) であるから、これを9にするために\( 5\) を加えて

\[ 4(x+1)^2+5 \]

となります。

これで完成です!

 

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まとめ

今回は、2次式の平方完成について、中カッコを使わない方法を考え、ご紹介しました。

  1. \(x \)の係数の半分の数字を「加えて引く」式変形を用いて、カッコが2つになってしまうのを避ける方法
  2. 先に平方完成の形をつくり、定数項を調整する方法

繰り返しになりまずが、大学入試では②の方法が実践的です。

この方法を使えば、共通テストなどで時間の節約にもなりますね。

何度も練習して、短時間で平方完成ができるようにしておきましょう。

 

今回は以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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