本業のかたわら、貯金70万円から半年で400万円を貯め、現在では5億円を超える資産形成に成功し、多くの著書も出版されている午堂登紀雄さん。
この本は、1億稼げるような子どもを育てるためにはどんなことが必要なのか?というコンセプトで書かれています。タイトルは「1億稼ぐ子どもの育て方」と極端ですが、1億ということは抜きにしても「これからの時代を生き抜いていける子どもの育て方」について的確なアドバイスがあり、本書を通して親として非常に大切なことを学ぶことができます。
イノベーターしか生き残れない
「一流大学に入り、一流の企業に勤めれば幸せになれる」という価値観はもう一昔前のものになりつつあります。AIの時代に突入し、様々な国から能力の高い人たちが日本企業にもどんどん入ってくるようになりました。
私たち親は子どもたちに、どんな時代でも適応できる土台をつくってやりる必要があります。そして、AIやロボットでは代替できない、0から1を生み出せるクリエイティブな人材の育成が必要になってきます。午堂さんは
「資本主義社会で生き残るために最後に残された役割がイノベーターであり、イノベーターとそうでない人の間には、埋めようのない大きな格差がさらに開いていく」
と予測しています。では私たちはどのように子育てをしていかなければならないのか?
この本から得た3つの気づきを紹介していきます。
1.子どもがしたいようにさせる
成功者の幼少時代を聞いてほぼ共通しているのは
「やりたいことはなんでもやらせてくれた」
という環境だそうです。親の価値観や周りを気にするあまり、子どもの自由を奪っているのではないか?と自分に問いかけてみました。
何時までには寝なければならない。朝食はのこさずしっかり食べなければだめ。ゲームはよくない。遊ぶ前に宿題を終わらせなければだめ。テレビの見過ぎはだめ。・・・
考え出すと、親の価値観で子どもたちの自由を奪っていることがたくさんあることに気づきました。
子どもの行動を制限しない、子供の言い分を否定しない。
午堂さんは、お金をかけなくてもできる自由な発想を促す方法として、「子どもの行動を制限しない、子どもの言い分を否定しない」ことをあげています。具体的には
遊びに行きたければ自由に行かせる。親が好ましくない友達だと思っても、好きに遊ばせる。宿題をしなくてもしからない。学校に行きたくないと言い出しいても、強制的に行かせない。子どもが友達の悪口を言ったとしても、否定せず、家の中では言いたいことはなんでも言えるような雰囲気にする。
です。午堂さん自身、実家を出るまでの18年間、なんら強制・禁止もなく育ったそうです。勉強しろとか宿題しろとか一度も言われたことがなく、成績やテスト結果、通信簿についても何か言われた記憶がない。中学校に入ってからは、しかられた経験もほめられた経験もなく、期待もプレッシャーも説教もなく、趣味も進路もすべてを自分の意志できめさせてもらって育ったそうです。
すごいです!
さっそく我が家でも実践してみました。驚くべき効果!
私の場合、「宿題しなさい」と強くは言わないように心がけています。しかし、土日など休みの日は「宿題やろっか?」とか「遊ぶ前にやっておくと楽だよ」、「はい、宿題と鉛筆持ってきて」などと親の価値観で、子どもが宿題をすることを強制していたことに気づかされました。
この本を読んで昨夜、子どもに宿題をさせるのをやめてみることにしました。
昨日は夜8時になってもまだ息子が「日記」の宿題を終えてないのが分かっていたのですが、我慢です。その代わり、「明日の準備は大丈夫?」「何か必要なものがあれば言って」と間接的に準備を促してみました。
すると息子は自ら準備をはじめました。運動着やマスクなどを準備しながら、「あ、日記だ」と自ら宿題に気づき、日記を書き始めました。しかも、いつも1ページ書くのがやっとであったのが今日は進んで2ページ分しっかりと書いていました。私が口出ししながらやっとの思いで1ページ書き終えていたのがうそのようです。
今後は、妻とも話して「宿題しなさい」をしばらく我慢してみることに決めました。我慢の毎日になりそうです。
2.説教ではなくたとえ話で、命令ではなく質問で
大人が他人に何か指摘されるのが嫌なように、子どもだって親からの説教は嫌なはずです。子どもがしかられているときの頭の中は
「はいはい、わかりました」というスルー
「ったく、うるさいな~」という反抗
「ひえ~こわいよ~」という委縮
であることが多く、説教の内容は全く頭の中に入っていないそうです。なるほど!つまり、説教にはほとんど意味がなく、逆効果である可能性さえあります。
ではどうしたらよいか?
①他人の話として語る
1つめは、「たとえ話」や「他人の話として語る」というものです。
たとえば「お父さんの知り合いでこんな人がいてね、○○でかなり困ったんだって。彼は○○をすることが大事なんだ、って言ってた。お父さんも同じ経験をしたことがあるから、ほんとうにそう思うよ」
といった感じです。こうすることで、子どもは自分が説教されているという圧迫感や反発心が弱まり、話の内容をスムーズ受け入れてくれる可能性が高まります。
まさに、自ら「気づかせる」おすすめのやり方です。
②命令ではなく質問をする
これも、子ども自信に気づきを与えるものです。
親が、あれをやりなさい、これはこうしなさいと指示をし続ければ、子どもは自ら考えて行動できない人間になってしまいます。よくある「指示待ち人間」まっしぐらです。
そうではなくて、指示を与えるときは「なんでこうするのか、その理由がわかる?」「なぜ、そう思ったの?」とか「おまえならどうする?」と質問をすることで考えさせていきます。子どもは質問を考えることで、物事を自分のこととしてとらえることができるようになるというわけです。
質問を繰り返すことによって考えさせる。仮説を立てさせる。脳内趣味レーションをさせる。
しつけとは導くこと
次の一文は心に響きました!
「しつけとは導くこと」という表現を聞いたことががりますが、この発想をを持てば子どもをしかる必要はなく、「言い聞かせる」「理由を問いかける」「みずから気づくよう促す」おとがたいせつであるとわかります。
3.自分で判断する経験をさせる
自分で判断する経験をつませ、自主性や積極性、挑戦する心を育てていくことができます。具体的には家庭の中で子どもに「リーダーシップ」をとる役割を与えるというものです。
午堂さんがおすすめする「リーダーシップをとる体験」を、取り組みやすい順にあげてみます!
①週末遊びに行く計画を立てさせる
これなら小さな子どもにでもすぐに実践できそうです。息子たちにも今日は何をする?とよく聞いていますが、もっと具体的に紙に計画書を書かせたり、本やインターネットで行き先を調べさせてみたいと思いました。
②夕食の準備をリーダーとして仕切ってもらう
息子たちは料理の手伝いは嫌いではありませんが、お手伝いで終わっていました。
「メニューの決定、材料のリストアップ、買い物、料理分担の指示」と、細かいところまで子どもたちに決めさせることで「段取り力」は大幅に上がることでしょう。
③家族のイベント、誕生日会、クリスマスパーティーの企画
長男はよく家族の誕生日会の内容を考えてくれます。これをうまく利用して、ケーキはどんなものを買うのか、部屋の飾りつけはどうするのか、何かサプライズは用意するのか・・・など詳細な企画から考えてもらえば、楽しみも増してくるはずです。
④家族旅行の計画
年齢が低い子供にはややハードルが高い気がしました。午堂さんは、予算と日程だけ与えてあとはすべて子供に任せることを提案しています。
具体的には、行き先、交通手段、宿泊先の選定、旅行先をめぐる順序、チケットの手配、当日のガイド役・・・などすべて子どもに任せるというものです。企画力、決断力、リーダーシップ力などを身に付ける最強の訓練になると思いました。
⑤ひとり旅
自立心を養うには最高のイベントです。
ひとりで旅をすると、いろいろなことが起こります。いろいろな段取りが必要になります。計画をたてる、経路を選択する、電車なら切符を買う、時刻表をみる・・・。自分で調べたり判断しなければならないことが山ほどあります。想定外のトラブルもたくさんあるはずですが、そこからの学びは一生の宝になるはずです。
我が家でも先日、「子どもだけで行く電車旅」を実施してみました!そして「子どもたちが予定時刻になっても到着しない!」というトラブルが発生しました。息子が大きく成長する良い機会になりました。詳しくはこちらをどうぞ
【子育て】子供だけで乗る「初めての電車旅」 ハプニング発生!駅員の方の神対応に感謝!
まとめ
以上3つの気づきについて紹介してきましたが、本書には子育てに関するヒントがたくさんつまっています。特に第4章の午堂家の子育てプログラムは必読です。
第4章では、午堂さんのお子さんが発達障害であるという話があります。午堂さんは発達障害についてものすごく勉強され、どのように子育てをしていったらよいかについて説得力のある記述がたくさんあります。
とても勇気づけられたのが「発達障害は才能である」という言葉です。実際、アメリカの調査ではADHDの人が経営者になるのは平均より6倍も高いそうです。
世の中の常識に合わせるのではなく、親としての自分自身が本当に子どものためになる、と思うことを実践していく。そして、子どもは親とは違うひとりの人間であることを尊重し、子育てを楽しんでいきたいと思いました。
「1億稼ぐ子どもの育て方」おすすめです!