情報をどう発信し、自分の血肉とするか?
その答えが本書にあります。
本書では、知的生産の達人である成毛眞さんによるアウトプット法を学べます。
【成毛眞さんについて】
書評サイト「HONZ」代表で、アスキーなどを経て1986年にマイクロソフト株式会社入社。1991年よりマイクロソフト代表取締役社長も経験された方です。2000年に退社後、同年5月に投資コンサルティング会社インスパイアを設立。元早稲田大学ビジネススクール客員教授。
それでは、私が本書で得た5つ気づきをご紹介します。
1.800字だと思うな、100字×8だと思え
私自身、書くことに対して、大きな抵抗感を持っています。
例えば800字の文章を書く場合、「序論・本論・結論」に分けて、自分の主張とその理由、そして具体的事例を入れていかなければならない・・・などと考えると気が重くなってきます。昔、取り組んだ「小論文」のイメージが頭にあるのでしょう。
しかし、本書では、
「いきなり800字を書こうとしても、それは、ランニング未経験者がいきなり10キロを目指して走ろうとするようなものだ」
とその難しさを分かりやすく例えています。
いきなり10キロではなくて、まずは1キロを目指せばいい。
文章の場合は、まずは100文字を目指す。
100文字ならツイッターの140字よりも短いし、本でいえば2~3行になります。
これなら気持ちが楽になりますね。
あとは、どんな100文字を8つ集めるのか、文章構成を考えればよいだけです。
成毛さんが開設された書評サイトHONZでは、新人に書き方を教える際、100文字×8ブロックに分けて、書く内容を指定しています。詳しくは本書のp66、67を参考にしてください。
この方法でしたら、本格的な書評も書けそうな気がしてきます。
「細かく分ける」という手法は文章でも使えるんですね。ポイントは「100字×8」。文章を書く際のハードルを下げてくれる素晴らしい方法です!
2.媒体を意識せよ 文は見た目が大切!
文章は内容よりも、むしろ見た目が大切です。
スマホでウェブサイトを見る際も、字がぎっしり詰まった文章は、いくら良いことが書いてあっても読む気がしません。
※このサイトも字をつめすぎていました。
文章はパソコンで書く場合が多いと思いますが、読む側はスマホが多いというデータもあります。
したがって、段落の最初の字下げはほとんど意味がないし、段落間に1行の空きがあったほうが読みやすくなります。さらに、ネットで書く文章では、漢字の割合は多くても3割になるようにすると良いそうです。
私もブログを書く際は、スマホで読まれることを意識しようと思いました。
3.プレゼンはお弁当 さまざまなおかずを準備しておく
講演会などで、受講者の感想文を見てみると、印象に残った部分は聞くよって実に様々である、思ったことはないでしょうか?
えっ?そんな部分が印象に残ったんだ?ということもしばしばあります。
これは読書の感想でも同じです。
つまり、こちらが一番伝えたいことが必ずしも相手伝わっているとは限らないということです。どこが印象に残っているのかは人それぞれ。
したがって、アウトプットとして話をする場合は、話す内容を一つに決めず、さまざまな話題をちりばめておく必要があります。
聞き手の印象に残るプレゼンをするなら、プレゼンというお弁当の中身をバラエティに富んだおかずでいっぱいにしておくのが得策だということです。
なるほど納得です。
ジャパネット高田の社長も、デジカメならデジカメのメインのおかずである「性能」についてを話すのではなく、
「デジカメがあれば旅先のバスの時刻表を写真にとっておくことができる」
と付け合わせである部分を情熱的に語り、視聴者を引き寄せているのです。
話の内容のどこが相手の心に刺さるかは予想できません。
さまざまなおかずを用意し、バラエティに富んだ弁当づくり(プレゼン)をしてみたいものです。
4.言葉を用いないアウトプットは超重要
言葉によらない自己表現としてだれでもできるのが、自分の見た目を整えることです。
何を着て、髪型をどう整えて、どのような自分を相手にアウトプットするか。
なるほど、外見もアウトプットなんですね!
外見というアウトプットに無頓着であることは、自己表現の放棄。どう見られたいか、周りにどういったインプットを与えたいかは、常に意識する必要がある。
と成毛さんは主張しています。
そして、
人の記憶に残るには、名前以外のところで工夫をしなくてはならない。
として、記憶に残るために「アロハ」や「サンタフェ柄」を取り入れてます。
「人は見た目が9割」という本が出版されているように、自分がどんな印象を相手に与えたいのかを考えることは大切なアウトプットの要素です。
「新しくて安い服は、高くて古い服に勝る。」そうです。安くてもいいので、ヨレヨレしていない新しい服をつねに身にまといたいですね。
5.「そういえば」は魔法の言葉 ~床屋に学ぶ「そういえば」の展開~
成毛さんがカットをお願いしているのは東京・久我山にある「ワタナベ・バルビエーレ」という床屋さんです。
ここに通い続けている一番の理由が
「店主の世間話がおもしろいから」
だそうです。まったくこちらを退屈させない話術をもっているということですのでプロ意識を感じます。
その床屋のマスターは1時間ずっと同じ話をしているわけではなく、「そういえば」「そういえば」と話題をコロコロかえていきます。
それだけ話のネタをもっているということです。
お客様にあわせた話題を次々に提供してくれます。
そういえば!私のカットを担当してくれる美容師さんも、私の反応を見ながら上手に話題を提供してくれていたことを思い出しました。
その場を居心地のよい空間にするのは、面白い世間話や笑いだと思います。
「そういえば」で世間話を広げることで思いもしなかったアイディアが生まれる可能性もあるでしょう。
「そういえば」のテクニックを上手につかって、アウトプットの幅を広げていきたいです。
まとめ アウトプット時代の到来
「アウトプット」という言葉。ここ数年で浸透してきた感があります。
日本人の大人には、私を含めてアウトプットが不足しているケースが多いと思います。
そんな私に向けて書いたとしか思えないフレーズがたくさんありました。
印象に残った6つのフレーズ
- SNSを使っていない人間は、この世界に存在していないに等しい。そういうほとんど存在していない人間に、誰が声をかけるだろうか、プロジェクトに誘うだろうか、仲間になろうそするだろうか。
- アウトプットしないとアウトプットは上達しないのだ
- アウトプットをしないということは、そこにあるかもしれない才能の発見の機会をロスし続けるということだ。
- とにかく多才とされている人は、多くのことにチャレンジし、そのうちのいくつかの才能に気づいた人だと言える。
- アウトプットはフィードバックが得られる場ですべきである。つまり、オープンな場だ。・・・日記帳ではなくSNSで、試すべきだ。
- インプットはもう十分に足りている。インプットをするくらいなら、その時間をアウトプットに費やすべき。
これからの時代では、知識を詰め込むインプットだけでは取り残されてしまうのではないかという恐怖を感じました。
アウトプットを積極的にして、様々なアイディアを生み出し、人とつながり、自己成長していけたらと思いました。
「黄金のアウトプット術」おすすめです!