本記事ではリーグ戦の総試合数を求める問題について2通りの方法を解説していきます。
結論から言うと、リーグ戦の総試合数は組合せ\( {}_n \mathrm{C} {}_r\) を使えば簡単に求まります。
それではさっそく見ていきましょう。
リーグ戦とは
リーグ戦とは、参加チームがどのチームとも1回だけ試合を行い、勝ち数を競い合う試合方法のことをいいます。
例えばサッカーワールドカップでは、予選に出場した32チームがA組からH組までの8組に分かれ、それぞれの組において各チームがどのチームとも1回試合をします。これがリーグ戦です。
ちなみにこのリーグ戦を勝ち抜いた16チームでトーナメント戦を行い、優勝チームが決まります。
2022年のサッカーワールドカップで日本チームはグループEでした。
星取表は以下の通りです。
表は横に見ていきます。日本はスペインに勝ち(○)、ドイツに勝ち(○)、コスタリカに負け(●)であることが分かります。
リーグ戦の総試合数の求め方
では、このワールドカップのリーグ戦E組における総試合数の求め方を解説します。
表を見てください。
リーグ戦の場合このような表を使うことが多いです。
ここで総試合数を求めていきましょう。
自国のチーム同士では対戦しませんので対角線上には斜線を引きます。
残ったマス目のうち、白丸の数字の数が総試合数になります(①②③④⑤⑥)。
黒丸は試合数に数えません。同じ番号のマス目は同じ試合を示しているからです。
例えば①と❶は同じ試合です。
したがって、この場合の総試合数は\( 6\) 試合であることが分かります。
ではこれを計算で求める方法を考えてみましょう。
【リーグ戦の総試合数】計算方法1
白丸の数は次のようにして求めることができます。
「マス目の総数から対角線上の4マスを引き、2で割る」
したがって
\[ (4\times 4-4)\div 2=6\]
となり、答えは6試合であることが分かります。
\( 4\times 4 \) がマス目の総数です。
【リーグ戦の総試合数】計算方法2
組合せ\( {}_n\mathrm{C}_r \) を用いて計算する方法です。
4チームから2チームを選ぶと、その2チーム同士で1回だけ試合が行われます。
したがって、総試合数は4チームから異なる2チームを選ぶ選び方の数と同じになります。
組合せ\( {}_n\mathrm{C}_r \) を用いて計算すると
\[ {}_4\mathrm{C}_2=\frac{4\cdot 3}{2\cdot 1}=6 \]
となり、答えは6試合であることが分かります!
組合せ\( {}_n\mathrm{C}_r \)の基礎と各種公式については、次の記事も参考にしてみてください。
このように組合せ\( {}_n\mathrm{C}_r \) を用いると簡単に試合数を求めることができます。
(参考)サッカーのワールドカップでは8つのリーグがあり、それぞれのリーグで6試合行われるので、リーグ戦をすべて合計すると\( 8\times 6=48 \) 試合行われたことになります
練習 リーグ戦の総試合数を求める
それでは練習問題を解いてみましょう。
練習1 5チームでリーグ戦を行うとき、総試合数は何試合か。
先ほどと同じように2通りの方法で解いてみます。
計算方法1
マス目の総数から対角線上の5マスを引いたマス目のうち、白丸をした半分が総試合数であることを利用して計算をします。
\[ (5\times 5-5)\div 2=10\]
答えは10試合となります。
※白丸の最後の番号⑩を見れば答えは答えは10試合であることがすぐに分かりますが、今回は計算で求める方法を考えています。
計算方法2
組合せの式を利用します。
5チームから2チームを選ぶと、その2チーム同士で1回だけ試合が行われます。
したがって、総試合数は5チームから異なる2チームを選ぶ選び方の数と同じになります。
組合せ\( {}_n\mathrm{C}_r \) を用いて計算すると
\[ {}_5\mathrm{C}_2=\frac{5\cdot 4}{2\cdot 1}=10 \]
となり、答えは10試合であることが分かります。
練習2 リーグ戦の総試合数を求める
もう1問解いてみましょう。
練習2 \( n \) チームでリーグ戦を行うとき、総試合数は何試合か。
\( n \) が出てきて難しそうですが、計算方法は同じです。
計算方法1
マス目の総数から対角線上の\( n \) マスを引いたマス目のうち、半分が総試合数であることを利用します。
\begin{align}
(n\times n-n)\div 2 &=\frac{n^2-n}{2}\\
&=\frac{n(n-1)}{2}
\end{align}
答えは\( \frac{n(n-1)}{2}\) 試合となります。
ちなみにこの\( n \) にチーム数を代入すると、リーグ戦の総試合数がすぐに求まります。
計算方法2
組合せの式を利用します。
\( n \) チームから2チームを選ぶと、その2チーム同士で1回だけ試合が行われます。
したがって、総試合数は\( n \) チームから異なる2チームを選ぶ選び方の数と同じになります。
組合せ\( {}_n\mathrm{C}_r \) を用いて計算すると
\begin{align}
{}_nC_2&=\frac{n\cdot (n-1)}{2\cdot 1}\\
&=\frac{n(n-1)}{2}
\end{align}
よって\( n \) チームのリーグ戦は\( \frac{n(n-1)}{2}\) 試合であることが分かりました。
以上でリーグ戦の総試合数の計算方法いついての解説は終わりです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。