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数学

【書評】大人のための数学勉強法/永野裕之【どんな問題も解ける10のアプローチ】

・なぜ自分は数学ができなかったのか?

・数学の勉強法を知りたい!

そんな疑問に答えてくれるのが、本書『大人のための数学勉強法』です。

私は勉強法についての専門家なので、日々たくさんの勉強法に関する書籍に目を通しています。そんな中、私の理念にぴったりの本書を見つけて感動してしまいました!

著者は個別指導塾・永野数学塾(大人の数学塾)の塾長の永野裕之さん。数多くの本を出版されたり、指揮者としても活動されているすごい方です。

※ちなみに私もあるところで指揮者をしていたことがあり、指揮者はあこがれの職業の一つです。

本書のポイントは「暗記をしない」数学の勉強法です。

解法を暗記をするのではなく、数学の背景に潜む「本質」の部分を理解し、使いこなしながら、論理を学んでいく勉強法です。

私自身の意見も交えながら解説していきます。

数学の勉強法は「解法暗記」+「実践トレーニング」?

巷ではたくさんの「数学の勉強法」があふれていますが、どの勉強法も似たようなものに感じます。

多くの「数学の勉強法」の主流は「解法暗記」+「実践トレーニング」。

「チャート式」などの網羅系の問題集で解法のストックを増やし、入試レベルの問題を使って、覚えた解法の使い方・組み合わせ方をトレーニングしていく、というものです。

確かに、この方法は合理的だと思います。受験数学を制するための王道かもしれません。

私もこの方法をある意味では推奨しています。

ただし、この方法では本当の数学の力は身につきません。

 

また、「解法暗記」という言葉もくせものです。

「解法暗記」の意味をきちんと理解していないと大変なことになりますし、解法暗記が数学嫌いを生む一つの要因になっている気がするのです。

 

例えば、網羅系の問題集で有名な「青チャート」の例題の数を見てみましょう。

数学ⅠA・・・約330題

数学ⅡB・・・約420題

数学Ⅲ・・・約270題

合計1070題!

つまり「青チャート」の例題を解法暗記に使うとすると、理系の場合およそ1000題もの解法を覚えなければならないということになるのです。

暗記はしない

永野さんが主張する数学の勉強法は「暗記をしない」勉強法です。

「数学の勉強のコツってなんですか?」職業柄よくこの質問を受けます。そんなとき、私はいつも「覚えないことです」と答えています。

数学の勉強法で悩んでいる多くの人は、公式や解法暗記をすることが数学の勉強だと思っています。受験によって「そう思わされてしまっている」という表現が正しいかもしれません。

確かに試験で点数を取るためには、解法暗記がある程度効果があるのは間違いないでしょう。塾や学校の先生方がそういった指導をすることを批判するつもりはありません。

しかし、解法暗記では本当の数学の力はつきません。

永野さんは次のように断言しています。

公式や解法を覚えて、それを当てはめて問題を解くという行為は数学の本質からは程遠いものです。これを繰り返しているうちは決して数学はできるようになりません。

では、どうしたらよいのか?

それは、勉強したことを理解するときに、できるだけ覚えないですむ方法を考えることです。

新しく習ったことを理解するために「なぜだろう?」と思い、その内容の背後にある「物語」をつかみとる必要性を永野さんは主張しています。

その導入例として、本書では三角形、平行四辺形、台形の面積の公式について、「なぜ?」と「物語」をつかみとる流れが詳しく解説されています。

本記事では省略しますが、とてもわかりやすいのでぜひ参考にしてみてください。

定理や公式の証明こそが数学の醍醐味

本書では「暗記の代わりにすべきこと」として以下の3つが挙げられています。

1.「なぜ?」を増やす

2.「意味づけ」をする

3.「知識」ではなく「知恵」を増やす

この3.「「知識」ではなく「知恵」を増やす」が特に印象に残りました。

永野さんは「知識は忘れていくものですが、知恵は忘れないもの」として、この知恵を増やすことを進めています。

数学において定理や公式は知識ですが、知識としての定理や公式を知恵に昇華させる方法が「証明」です。

証明をすることは先人たちがその定理や公式を発見したときの驚きや感動を追体験することになります。自らの手で証明をすることで「ああ凄いなあ。本当なんだなあ」と感動し、その体験が知識を知恵に変えてくれるのです。

この部分には強く同感しました!

証明を嫌がる生徒は多いですが、私は証明こそ数学の物語を体験できる非常に大事なものだと考えています。

だから、生徒に教えるときも証明は飛ばさず、一番力を入れます。証明の部分は何度説明しても感動があります。

解法を覚えて、当てはめるという数学とは一味も二味も違う数学の本質的な部分であると思っています。

数学ができる人は「基本的な考え方」を使っているだけ

数学ができる人は、解法を丸暗記してそれを当てはめて解いてはいません。

その解法の背景にある本質的な部分を使っているのです。

解法を丸暗記しているのではなく、その解法の意味や背景にある「物語」をつかみ、誰かに好きな映画の話をするような感覚で解いています。

1000パターンもの解法を暗記して当てはめるのではなく、そのもっと手前にある「基本的な考え方」を試したり、それらを組み合わせているに過ぎないのです。

本書がすばらしいのは、この「基本的な考え方」を「10のアプローチ」としてまとめてある点です。

詳しくは本書をご覧いただきたいのですが、永野さんが分類した「10のアプローチ」のタイトルを引用させていただきます。

どんな問題にも通じる10のアプローチ

  1. 次数を下げる
  2. 周期性を見つける
  3. 対称性を見つける
  4. 逆を考える
  5. 和よりも積を考える
  6. 相対化する
  7. 帰納的に思考実験する
  8. 視覚化する
  9. 同地変形を意識する
  10. ゴールからスタートをたどる

ビジネスでも役立ちそうな考え方もありますね。

数学ができる人は、解法暗記よりもっと原則的な数学的アプローチをマスターしているのですね。

このような「基本的な考え方」が身につければ、今まで見たことのないような新しい問題に対する解法を、自分で生み出せることもできるようになるのです。

まとめ

受験において「解法を覚える」という勉強法は、点数を取るという意味で、効果はあると思います。

しかし、解法暗記という言葉を浅くとらえてしまい、数学が苦手であったり、数学嫌いになってしまう人がたくさんいるのが現状なのではないでしょうか。

解法を暗記して問題を解けるようになったとしても、数学的な力が身についたとは言えません。

本書の主要部分は、どんな問題にも通じる10のアプローチの解説とその使い方です。

解法暗記に嫌気を感じてるあなた、数学の本質てきな部分を学んでみたいあなたに、ぜひおすすめしたい一冊です。

『大人のための数学勉強法』オススメです!

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