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【これで分かる】ドルコスト平均法がお得な理由を具体例で解説【調和平均と相加平均】

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ドルコスト平均法って本当にお得なの?
ドルコスト平均法が優れている理由をちゃんと知りたい。

こんな悩みを解決します。

「ドルコスト平均法」が優れているという話はよく聞きますが、本当にお得な投資法なのでしょうか?

本記事では、ドルコスト平均法が、毎月一定口数を購入する場合よりもかなりお得になることを、簡単な具体例で示していきます。

結論からいうと、ドルコスト平均法は最強の投資法です。

ドルコスト平均法は数学的には「調和平均」という平均と関連があり、お得であることがちゃんと証明できるのです。

つみたNISAやiDeCo(イデコ)などではドルコスト平均法での投資が可能ですので、ぜひ参考にしてみてください。

✔︎本記事の内容

・ドルコスト平均法とは

・ドルコスト平均法のメリット(具体例)

・ドルコスト平均法が優れていることの証明

まずは、わかりやすい例を用いて、ドルコスト平均法が優れていることをみていきます。

後半では一般的な例で、ドルコスト平均法が優れていることを証明していきます。

✔︎この記事を書いている管理人の経歴

・大学院で応用数学を学び修士課程修了

・数学講師歴20年(数学検定1級取得)

・現在ドルコスト平均法を実践中

タイトルにある「調和平均」は速度の平均を考えるときなどに使う平均です。

聴き慣れない言葉かもしれませんが、それほど恐れる必要はありませんよ。

それでは簡単な例から見ていきましょう!

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ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法は,株や投資信託などの金融商品を「一定額」ずつ「定期的」に購入していく方法のことです。

例えば「投資信託を毎月3万円分だけ購入を続けていく」というように、毎月の購入額を「一定額」にするのが特徴です。

◆ドルコスト平均法の特徴

価格が安いとき

→たくさん購入できる

価格が高いとき

→購入量を抑えられる

ドルコスト平均法を使うと、金融商品の価格が安いときはたくさん購入できますし、価格が高いときは購入量を少なく抑えることができます。

その結果、毎月一定口数を購入した場合と比べて、平均買付単価を低くすることが可能になります。

◆ドルコスト平均法のメリット

毎月一定口数を購入した場合と比べて

平均単価が低くなる!

「ドルコスト平均法」は「一定の口数での購入」と比べて,なぜ平均単価を抑えることができるのでしょうか?

具体例で見ていきましょう。

ドルコスト平均法がお得であることが分かる具体例【シミュレーション】

ここでは、「毎月一定の口数を購入した場合」と「ドルコスト平均法で購入した場合」について比較してみましょう。

話を分かりやすくするために購入期間は3ヶ月、ある金融商品の1口あたりの価格を以下のように設定します。

1口あたりの金額

1ヶ月目・・\(10,000\)円
2ヶ月目・・\(5,000\)円
3ヶ月目・・\(20,000\)円

グラフにすると次のようになります。

▲商品の値動き

 

ここで次の2つのパターンA、Bを比較してみたいと思います。

パターンA(一定の口数)

毎月1口ずつ購入

パターンB(ドルコスト平均法)

毎月1万円ずつ購入

それぞれの平均単価を計算してみましょう。

◆パターンA 毎月1口ずつ購入した場合

まずは、毎月1口ずつ購入した場合です。

1ヶ月
2ヶ月
3ヶ月
口数 1口 1口 1口
金額 10,000
5,000
20,000

この結果から「口数の合計」「購入額の合計」「平均単価」は以下のようになります。

(1)口数合計

\( 3\) 口

(2)購入額合計

\( 35,000 \)円

平均単価 約\(11,667円\)

平均単価は(2)÷(1)で次のように計算しています。

\begin{align*}
平均単価&=35,000円\div 3\\
&=約11,667円
\end{align*}

◆パターンB 毎月1万円ずつ購入した場合(ドルコスト平均法)

続いて、毎月1万円ずつ購入した場合についてみていきましょう。

このように毎月一定の額を購入していく方法が「ドルコスト平均法」です。

1ヶ月
2ヶ月
3ヶ月
口数 1口 2口 0.5口
金額 10,000
10,000
10,000

2ヶ月目の価格は1口あたり50,00円ですので、10,000円だと2口購入できます。

3ヶ月目の価格は1口あたり20,000円ですので、10,000円だと半分の0.5口だけ購入できます。

この結果から「口数の合計」「購入額の合計」「平均単価」は以下のようになります。

(1)口数合計

\( 3.5 \)口

(2)購入額合計

\( 30,000 \)円

平均単価 約\(8,571円\)

平均単価は(2)÷(1)で次のように計算しています。

\begin{align*}
平均単価&=30,000円\div 3.5\\
&=約8,571円
\end{align*}

◆パターンAとパターンBの比較

パターンAとパターンBで平均単価を比較してみると

\[ 11,667円\; ≧\; 8,571円\]

となり,明らかにパターンBの「ドルコスト平均法」の方が一口あたりの平均単価が低くなっているのがわかります!

つまり、ドルコスト平均法の方がお得であることがいえるのです。

どんな価格でもドルコスト平均法の方が優れている!【具体例で証明】

先ほど例では1口あたりの金額が10,000円,50,00円,20,000円と極端でした。

では、どんな場合にドルコスト平均法の方が有利になるのでしょうか?

実は、1口あたりの金額がどのように変化しても「一定口数の購入」より「ドルコスト平均法」の方が優れていることが言えます!

つまり、どんな価格変動があったとしても、ドルコスト平均法の方が平均単価が低くなるのです。!

信じがたいかもかもしれませんが、簡単な計算で確かめることができるのです。

実際に計算してみましょう。

1口あたりの購入金額を次のように設定してみます。

1口あたりの購入金額

1ヶ月目・・・\(a\)万円
2ヶ月目・・・\(b\)万円
3ヶ月目・・・\(c\)万円

\( a,\; b,\; c\) には正の数であれば,どのような数値を入れてもOKです。

つまり、どのような価格変動があってもよいものとします。

この設定で、2つのパターンA、Bを比較してみたいと思います。

パターンA(一定の口数)

毎月1口ずつ購入

パターンB(ドルコスト平均法)

毎月1万円ずつ購入

それぞれの平均単価を計算してみましょう。

◆パターンA 毎月1口ずつ購入した場合

1ヶ月
2ヶ月
3ヶ月
口数 1口 1口 1口
金額 \( a\) 万円 \( b\) 万円 \( c\) 万円

この結果から「口数の合計」「購入額の合計」「平均単価」は以下のようになります。

(1)口数合計

\( 3\) 口

(2)購入額合計

\( a+b+c \)円

平均単価 \(\frac{a+b+c}{3} 万円\)

平均単価は(2)÷(1)で次のように計算しています。

\begin{align*}
平均単価&=(a+b+c)\div 3\\
&=\frac{a+b+c}{3} 万円
\end{align*}

この式は「相加平均」とよばれていて、「合計\(\div \)個数」で定義されます。

私たちが単に「平均」と言う場合は、この「相加平均」のことを挿します。

「相加平均」は「算術平均」とも呼ばれることもあます。

◆パターンB 毎月1万円ずつ購入した場合(ドルコスト平均法)

1ヶ月
2ヶ月
3ヶ月
口数 \( \frac{1}{a}\)口 \( \frac{1}{b}\)口 \( \frac{1}{c}\)口
金額 1万円 1万円 1万円

例えば1口5,000円の場合、10,000円だと

\( 10,000円\div 5,000円 =2口\)

購入できます。

上の表における口数は、この例と同様に計算ています。すなわち

1ヶ月目は1口\( a \) 万円ですので、1万円で\( 1万円\div a万円 =\frac{1}{a}口\) 購入可能。

2ヶ月目は1口\( b \) 万円ですので、1万円で\( 1万円\div b万円 =\frac{1}{b}口\) 購入可能。

3ヶ月目は1口\( c \) 万円ですので、1万円で\( 1万円\div c万円 =\frac{1}{c}口\) 購入可能。

これより「口数の合計」「購入金額の合計」「平均単価」は以下のようになります。

(1)口数合計

\((\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c})\)口

(2)購入額合計

\( 30,000 \)円

平均単価\( \frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}}\) 万円

平均単価は(2)÷(1)で次のように計算しています。

\begin{align*}
平均単価&=3万円\div \left( \frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}\right)口\\
&=\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}}万円
\end{align*}

この式は「調和平均」とよばれていて、「逆数の算術平均の逆数」で定義されます。

調和平均は、あまり聴き慣れない言葉かもしれませんが、次のような場合に使われています。

・行きと帰りの速度の平均

・電気回路に並列で複数の抵抗がある場合の平均

 

◆パターンAとパターンBの比較

それでは、パターンAとパターンBで平均単価を比較してみます。

最初の例のように数値で比較することできませんが、大小関係を求めることは可能です。

パターンAとパターンBの平均単価は次のようになっていました。

Aの平均単価は\(a,\; b,\; c\; \)の相加平均

Bの平均単価は\(a,\; b,\; c\; \)の調和平均

この2つの平均、「相加平均」と「調和平均」には数学的に次のような大小関係があります。

\[ 相加平均≧調和平均\]

式で書くと

\[ \frac{a+b+c}{3} ≧\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}} \]

となり(証明は参考2を参照)

Aの平均単価 ≧ Bの平均単価

であることがいえます。

つまり,毎月の商品価格がどのように変化したとしても,ドルコスト平均法の方がお得であるということがいえるのです!

すごいですね。

【一般化】ドルコスト平均法が優れていることの証明

ここでは、上の2つの例をさらに一般的化していきます。

1口あたりの購入金額は先ほどと同様,次のように設定します。

1口あたりの購入金額

1ヶ月目・・・\(a\)万円
2ヶ月目・・・\(b\)万円
3ヶ月目・・・\(c\)万円

2つのパターンA、Bは以下のように設定します。

パターンA(一定の口数)

毎月\( n\)口ずつ購入

パターンB(ドルコスト平均法)

毎月\( m\)万円ずつ購入

それぞれの平均単価を計算し、比較してみましょう。

◆パターンA 毎月\(n\)口ずつ購入した場合

1ヶ月
2ヶ月
3ヶ月
口数 \( n \) 口 \( n \) 口 \( n \) 口
金額 \( an\) 万円 \( bn\) 万円 \( cn\) 万円

購入金額は次のように計算します。

1ヶ月目の場合,1口あたり\( a \)万円の商品を\( n\)口購入したので,\( a万円\times n口=an万円\)

2ヶ月目,3ヶ月目も同様です。

これより「口数の合計」「購入額の合計」「平均単価」は以下のようになります。

(1)口数合計

\( 3n\) 口

(2)購入額合計

\( an+bn+cn \; \)円

平均単価 \(\frac{a+b+c}{3} 万円\)

平均単価は(2)÷(1)で次のように計算しています。

\begin{align*}
平均単価&=(an+bn+cn)万円\div 3n\\
&=\frac{a+b+c}{3}\; 万円
\end{align*}

約分すると\( n\) が消えるので,結果は\( a,\; b,\; c \) の相加平均になりました。

 

◆パターンB 毎月\(m \) 万円ずつ購入した場合(ドルコスト平均法)

1ヶ月
2ヶ月
3ヶ月
口数 \( \frac{m}{a}\)口 \( \frac{m}{b}\)口 \( \frac{m}{c}\)口
金額 \( m\)万円 \( m\)万円 \( m\)万円

口数の計算方法は先ほどの例と同様です。

1ヶ月目は1口\( a \) 万円ですので、\( m \)万円だと\(  m万円\div a万円 =\frac{m}{a}口\) 購入できることになります。

2ヶ月目,3ヶ月目も同様です。

これより「口数の合計」「購入額の合計」「平均単価」は以下のようになります。

(1)口数合計

\((\frac{m}{a}+\frac{m}{b}+\frac{m}{c})\)口

(2)購入額合計

\( 3m \)円

平均単価 \(\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}}\)万円

 

平均単価は(2)÷(1)で次のように計算しています。

\begin{align*}
平均単価&=3m万円\div \left( \frac{m}{a}+\frac{m}{b}+\frac{m}{c}\right)口\\
&=\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}}万円
\end{align*}

\( m\)で約分できるため,結果は\( a,\; b,\; c\)の調和平均となりました。

◆パターンAとパターンBの比較

パターンAとパターンBで平均単価を比較してみます。

先ほどと同様に

\[ 相加平均≧調和平均\]

の関係があるので

\[ \frac{a+b+c}{3} ≧\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}} \]

が成り立ち(証明は参考2を参照)

Aの平均単価 ≧ Bの平均単価

であることがいえます。

これよりBのドルコスト平均法の方が平均単価が安く、お得であることを証明することができました。

【参考1】相加平均,相乗平均,調和平均の大小関係

詳しい証明は省略しますが,相加平均,相乗平均,調和平均には次のような関係があることが知られています。

\[ 相加平均≧相乗平均≧調和平均\]

式で表現すると次のようになります。

【2次の場合】
2つの正の数\(a,\; b\)について

\[ \frac{a+b}{2}\;≧\sqrt{ab}\;≧\frac{2}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}} \]

等号は\(a=b\)のとき成立.

【3次の場合】

3つの正の数\(a,\; b,\; c\)について

\[ \frac{a+b+c}{3}\;≧{}^3\!\!\!\sqrt{abc}\;≧\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}} \]

等号は\(a=b=c\)のとき成立.

【参考2】相加平均 ≧ 調和平均 の証明(3次)

具体例での計算で出てきた次の式を証明してみます。

\[ \frac{a+b+c}{3} ≧\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}} \]

この式は

\[ 相加平均≧(相乗平均)≧調和平均\]

から導くのが通常のやり方ですが,ここでは別の方法で証明してみます。

※スマホの方は画面を横にしてご覧のください

\begin{align*}
&(左辺)-(右辺)\\
&=\frac{a+b+c}{3} -\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}} \\
&=\frac{a+b+c}{3}-\frac{3abc}{ab+bc+ca}\\
&=\frac{(a+b+c)(ab+bc+ca)-9abc}{3(ab+bc+ca)}
\end{align*}

ここで
\begin{align}
&(分子)\\
&=a^2b+ca^2+ab^2+b^2c+bc^2+ac^2-6abc\\
&=(ab^2-2abc+ac^2)+(a^2b-2abc+bc^2)+(ca^2-2bc+b^2c)\\
&=a(b^2-2bc+c^2)+b(a^2-2bc+c^2)+c(a^2-2ab+b^2)\\
&=a(b-c)^2+b(a-c)^2+c(a-b)^2≧0\\
\end{align}

よって

\[(左辺)-(右辺)≧ 0\]となり

\[ \frac{a+b+c}{3} ≧\frac{3}{\frac{1}{a}+\frac{1}{b}+\frac{1}{c}} \]

が導かれました。

等号は\(a=b=c\)のとき成り立ちます。

まとめ

ドルコスト平均法は,株や投資信託などの金融商品を「一定額」ずつ「定期的」に購入していくという方法です。

今回は、ドルコスト平均法が一定口数の購入よりも優れていることを、具体例を使って解説しました。

数学的にはドルコスト平均法は調和平均となっており、相加平均である一定口数の購入よりすぐれていることがいえます。

もちろんドルコスト平均法にも投資機会の損失などデメリットもありますが、総合的にみるととても優れた投資法だったのです。

つみたNISAやiDeCo(イデコ)などではドルコスト平均法での積み立てが可能ですので、ぜひ早い時期から始めることをおすすめします。

今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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数学・統計学
シグマ先生
数学講師/Udemyベストセラー講師/数学の苦手を治します/塾・予備校・高校講師歴20数年/分かりやすい解説/偏差値40から65へ/数学検定対策/数学で困っている人の役に立ちたい

妻・子供2人と4人暮らし。週末はキャンプやスキー、温泉旅行などアクティブに活動中/数学検定1級
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