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数学

「分母に3つの項があるときの分母の有理化」解き方と仕組みを解説します

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・分母に3つの項があるときの分母の有理化はどのようにしたらいいの?

・分母に3つの項があるとき、効率のよい有理化の方法を知りたい

こんな悩みに答えます。

本記事では分母に3つ項があるときの、分母の有理化について詳しく解説をしていきます。

さらに、分母に3つの項があるとき、効率よく有理化をしていく方法についても解説します。

実はこの有理化、ある条件が成り立たないと、計算は複雑になってしいます。

本記事を読めば、どんなときに効率化できて、どんなときに複雑な計算になるのかも理解できるようになりますよ。

それでは、さっそく見ていきましょう!

分母に3つの項があるときの有理化【基本パターン】

問題 次の分母を有理化せよ.

\[ \frac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5}} \]

方針

2回の操作を行います。

まず\( \sqrt{2}+\sqrt{3} \; \)をかたまりと考えて,分母分子に

\[ \sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5} \]

をかけます。

すると,分母が\( 2\sqrt{6} \) になるので,次に分母分子に\( \sqrt{6} \) をかけます。

※乗法公式\( (a+b)(a-b)=a^2-b^2\)を利用します。

解答

\begin{align}
&\frac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5}}\\
&=\frac{\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5}}{(\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5})(\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5})}\\
&=\frac{\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5}}{(\sqrt{2}+\sqrt{3})^2-(\sqrt{5})^2}\\
&=\frac{\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5}}{2+2\sqrt{6}+3-5}\\
&=\frac{\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5}}{2\sqrt{6}}\\
&=\frac{(\sqrt{2}+\sqrt{3}-\sqrt{5})\times \sqrt{6}}{2\sqrt{6}\times \sqrt{6}}\\
&=\frac{2\sqrt{3}+3\sqrt{2}-\sqrt{30}}{12}\\
\end{align}

分母に3つの項があるときの有理化【一般化】

ここで、なぜこのようにすると上手くいくのかを理解するために、次の式の分母の有理化を途中まで計算してみましょう。

\[ \frac{1}{\sqrt{a}+\sqrt{b}+\sqrt{c}} \]

まずは分母分子に
\[ \sqrt{a}+\sqrt{b}-\sqrt{c} \]
をかけてみます。すると

\begin{align}
&\frac{1}{\sqrt{a}+\sqrt{b}+\sqrt{c}}\\
&=\frac{\sqrt{a}+\sqrt{b}-\sqrt{c}}{(\sqrt{a}+\sqrt{b}+\sqrt{c})(\sqrt{a}+\sqrt{b}-\sqrt{c})}\\
&=\frac{\sqrt{a}+\sqrt{b}-\sqrt{c}}{(\sqrt{a}+\sqrt{b})^2-(\sqrt{c})^2}\\
&=\frac{\sqrt{a}+\sqrt{b}-\sqrt{c}}{a+2\sqrt{ab}+b-c}
\end{align}

となります。ここで分母に注目してみてください。

もし

\[ a+b=c \]

となれば、分母は\( 2\sqrt{ab} \) となり、項が1つだけになります。

よってこの後、分母分子に\( \sqrt{ab} \) をかければ簡単に有理化ができるのです。

分母に3つの項がある場合の有理化【流れ】

分母に3つの項がある場合の有理化を簡単に行うには次の流れになります。

1.分母にある3つの項\( \sqrt{a},\; \sqrt{b},\; \sqrt{c} \) をそれぞれ2乗した\( a,\; b,\; c \) について
\( a+b=c \) となる組合せを見つける。

2.\( \sqrt{a}+\sqrt{b} \) をかたまりと考えて,分母分子に\( \sqrt{a}+\sqrt{b}-\sqrt{c} \)
をかける。

3.分母の項が1つだけになるので,分母にあるルートを分母分子にかける。

それでは、この流れに乗ってもう1問考えてみましょう。

練習問題

問題 次の分母を有理化せよ

\[ \frac{1}{\sqrt{5}+\sqrt{6}+1} \]

方針 

どの2つの項をかたまりとみるかで計算量が違ってきます。

まず,分母の各項\( \sqrt{5},\; \sqrt{6},\; 1 \; \) をそれぞれ2乗してみます。すると

\[ 5,\;\; 6,\;\; 1 \]

となります。このうちの2数の和が残りの数に等しくなる組合せを見つけると

\[ 1+5=6 \]

となるので,\( 1 \) と\( \sqrt{5}\) をセットにします。

つまり\( 1+\sqrt{5}\) をかたまりと考え,分母分子に

\[ 1+\sqrt{5}-\sqrt{6} \]

をかけます。

解答

\begin{align}
&\frac{1}{\sqrt{5}+\sqrt{6}+1}\\
&=\frac{1}{1+\sqrt{5}+\sqrt{6}}\\
&=\frac{1+\sqrt{5}-\sqrt{6}}{(1+\sqrt{5}+\sqrt{6})(1+\sqrt{5}-\sqrt{6})}\\
&=\frac{1+\sqrt{5}-\sqrt{6}}{(1+\sqrt{5})^2-(\sqrt{6})^2}\\
&=\frac{1+\sqrt{5}-\sqrt{6}}{1+2\sqrt{5}+5-6}\\
&=\frac{1+\sqrt{5}-\sqrt{6}}{2\sqrt{5}}\\
&=\frac{(1+\sqrt{5}-\sqrt{6})\times \sqrt{5}}{2\sqrt{5}\times \sqrt{5}}\\
&=\frac{\sqrt{5}+5-\sqrt{30}}{10}
\end{align}

これが一番簡単に有理化できる方法です。

分母にマイナスの項がある場合

次に,分母にマイナスの項がある場合です。

例題 次の分母を有理化せよ.

\[ \frac{1}{1-\sqrt{2}-\sqrt{3}} \]

方針まず,分母の各項\( 1,\; -\sqrt{2},\; -\sqrt{3}\) を2乗してみます。すると
\[ 1,\;\; 2,\;\; 3 \]
となります。このうちの2数の和が残りの数に等しくなる組合せを見つけると\[ 1+2=3 \]となるので,\( 1 \) と\( -\sqrt{2}\) をセットにします。つまり\( 1-\sqrt{2}\) をかたまりと考え,和と差の公式\( (a+b)(a-b)=a^2-b^2\) を使えるよう分母分子に\[ 1-\sqrt{2}+\sqrt{3} \]をかけます。

解答

\begin{align}
&\frac{1}{1-\sqrt{2}-\sqrt{3}}\\
&=\frac{1-\sqrt{2}+\sqrt{3}}{(1-\sqrt{2}-\sqrt{3})(1-\sqrt{2}+\sqrt{3})}\\
&=\frac{1-\sqrt{2}+\sqrt{3}}{(1-\sqrt{2})^2-(\sqrt{3})^2}\\
&=\frac{1-\sqrt{2}+\sqrt{3}}{1-2\sqrt{2}+2-3}\\
&=\frac{1-\sqrt{2}+\sqrt{3}}{-2\sqrt{2}}\\
&=\frac{(1-\sqrt{2}+\sqrt{3})\times \sqrt{2}}{-2\sqrt{2}\times \sqrt{2}}\\
&=\frac{\sqrt{2}-2+\sqrt{6}}{-4}\\
&=\frac{2-\sqrt{2}-\sqrt{6}}{4}\\
\end{align}

同じように進めることができました。

計算が複雑になるパターン

最後に,\( a+b=c \) となる組合せが見つからないパターンについて紹介します。

この場合、計算量が多くなります。

問題 次の分母を有理化せよ.

\[ \frac{1}{1+\sqrt{3}+\sqrt{5}} \]

方針

分母の各項\( 1,\; \sqrt{3},\; \sqrt{5}\) を2乗すると

\[ 1,\;\; 3,\;\; 5 \]

となり,今回はどの2数を足しても残りの数に等しくすることはできません。

つまり、\( a+b=c \) となる組合せが見つかりません。

この場合,最初の操作で分母に2つの項が残ってしまうので,計算はやや複雑になります。

解答

まずは、最初の方針と同じ方法で進めます。

\begin{align}
&\frac{1}{1+\sqrt{3}+\sqrt{5}}\\
&=\frac{1+\sqrt{3}-\sqrt{5}}{(1+\sqrt{3}+\sqrt{5})(1+\sqrt{3}-\sqrt{5})}\\
&=\frac{1+\sqrt{3}-\sqrt{5}}{(1+\sqrt{3})^2-(\sqrt{5})^2}\\
&=\frac{1+\sqrt{3}-\sqrt{5}}{1+2\sqrt{3}+3-5}\\
&=\frac{1+\sqrt{3}-\sqrt{5}}{2\sqrt{3}-1}
\end{align}

ここで,分母が\( 2\sqrt{3}-1 \) なので,分母分子に\( 2\sqrt{3}+1 \) をかけます。

\begin{align}
&\frac{1+\sqrt{3}-\sqrt{5}}{2\sqrt{3}-1}\\
&\frac{(1+\sqrt{3}-\sqrt{5})(2\sqrt{3}+1)}{(2\sqrt{3}-1)(2\sqrt{3}+1)}\\
&\frac{2\sqrt{3}+1+6+\sqrt{3}-2\sqrt{15}-\sqrt{5}}{(2\sqrt{3})^2-1^2}\\
&\frac{7+3\sqrt{3}-\sqrt{5}-2\sqrt{15}}{11}
\end{align}

後半の操作で,分母分子に\( 2\sqrt{3}+1 \) をかけなければならないので,計算量が増えて少し大変ですね。

まとめ

今回は分母に3つの項がある場合の有理化について解説しました。

分母にある3つの項をそれぞれ2乗して,\( a+b=c \) となる組合せが見つかれば,今回ご紹介した方法で計算が簡単になります。

分母が3つの項である問題は、\( a+b=c \) となる組合せが見つかることが多いです。

計算量が増えすぎないようにという出題者側の配慮かもしれません。

今回ご紹介した解法の流れを理解して使いこなせるようにしてみてください。

 

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数学・統計学
シグマ先生
数学講師/Udemyベストセラー講師/数学の苦手を治します/塾・予備校・高校講師歴20数年/分かりやすい解説/偏差値40から65へ/数学検定対策/数学で困っている人の役に立ちたい

妻・子供2人と4人暮らし。週末はキャンプやスキー、温泉旅行などアクティブに活動中/数学検定1級
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