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数学

【高校数学へのアプローチ】文字式のルール/分数で重要な3つの式変形

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・ 高校数学を勉強するための基礎を固めたい!

・ 文字式における「分数の計算」に強くなりたい!

こんな悩みに答えます。

本記事では文字式のルールと「分数の式変形」について解説します。

✔︎本記事の内容

・分数の「マイナス」は自由に移動できる

・分子の「文字」は移動できる

・隠れている「カッコ」を意識する

今回ご紹介する内容は教科書に書かれていません。

「知っていて当然のルール」であり,授業で扱われることは少ないと思います。

でも長年数学を教えていて気づきました。

教科書に入る前の「今回の内容」が理解できていなかったがために,つまずいていたという生徒が結構いるのです。

数学に苦手意識のある方は,本記事に内容をきちんと確認しておくことをおすすめします!

それでは,さっそく見ていきましょう。

分数の基本

まずは分数の基本です。

「分数」は次のように「分子」÷「分母」という意味があります。

\[ \frac{□}{△}=□\div △\]

超重要事項ですので,しっかりと頭に入れておきましょう。

例をあげておきます。

\[ \frac{3}{2}=3\div 2 \]

答えを書くときは\(\; \displaystyle\frac{3}{2}\;\) のままでOKですが,\(\; 3\div 2 =1.5 \; \) と計算して考えていくケースもありますよ。

教科書には書いてない!「分数の式変形をマスターしよう」

それでは本記事のメインテーマ『教科書に書かれていない【分数の式変形】』について見ていきましょう。

※分数の「たし算・ひき算・かけ算・わり算」については,別の記事で解説していきたいと思います

まずは要点です。

分数の式変形 3パターン

① \( \displaystyle \frac{-2}{3}=\frac{2}{-3}=-\frac{2}{3}\)

② \( \displaystyle\frac{3x}{5}=\frac{3}{5}x\)

\(\;\;   \displaystyle\frac{x}{5}=\frac{1}{5}x\)

③ \( \displaystyle\frac{(x+2)}{3}=\frac{x+2}{3}\)

言葉で表現すると

① マイナスは「分母」「分子」「分数の前」に自由に移動できる

② 分子にある文字は右側に移動できる

③ カッコは省略する(隠れているカッコがある)

です。

それでは順番に解説していきます。

① マイナスは「分母」「分子」「分数の前」に自由に移動できる

\[\;  \frac{-2}{3}=\frac{2}{-3}=-\frac{2}{3}\; \]

分数ではマイナス「\( -\) 」を「分母」「分子」「分数の前」に自由に移動可能です。

これは次の例で考えると明らかです。

分数は分子÷分母なので,

\[\displaystyle \frac{-6}{2}=(-6)\div 2 =-3 \]

\[\displaystyle \frac{6}{-2}=6\div (-2) =-3 \]

\[\displaystyle -\frac{6}{2}=-(6\div 2) =-3 \]

となり,上の3つの式がすべて同じ\(\; -3 \;\) になりました。したがって

\[\displaystyle \frac{-6}{2}=\frac{6}{-2}=-\frac{6}{2} \]

となります。

このように分数においては,マイナス「-」を「分母」「分子」「分数の前」に自由自在に移動することができます!

ただし通常は

マイナスは分数の前に出す

ことが原則ですので,答えを書く際には

\[-\frac{2}{3}\]

というふうに,「-」を分数の前に出しておきましょう!

② 分子にある文字は右側に移動できる

\[\;  \frac{3x}{5}=\frac{3}{5}{\small x}\]

\[ \; \frac{x}{5}=\frac{1}{5}{\small x}\]

分数の分子に文字があった場合,その文字を分数の右側に移動することができます。

上の例\( \displaystyle\frac{3x}{5}\) のように,分数の分子に文字\( x \) がある場合,\( x \) を右側の外に出して

\[ \frac{3x}{5}=\frac{3}{5}x\]

と変形することができるのです。

右辺から左辺への変形もよく使いますので覚えておきましょう。

\[ \frac{3}{5}x=\frac{3x}{5}\]

この変形は,計算をする際によく使います。

このように分数の分子にある文字は自在に移動が可能です。

なぜこのようにできるのか?については次の具体的な例で理解してください。

\begin{align*}
\frac{3}{5}x&=\dfrac{3}{5}\times x \\
&= \dfrac{3}{5}\times \frac{x}{1} \\
&= \dfrac{3\times x}{5\times 1} \\
&=\dfrac{3x}{5}
\end{align*}

最終的な答えは、文字を分子に残しておいても,分数の右側に出しても,どちらでも構いません。

文字を右側の外に出して,\( \displaystyle \frac{3}{5}x \) と書くケースがやや多いかな,といった程度です。

特殊な場合として

\[ \frac{x}{5}=\frac{1x}{5}=\frac{1}{5}x \]

も覚えておきましょう。

文字\( x\) の前には1が省略されているため,このような変形ができます。

この場合は,\( \displaystyle\frac{x}{5} \)とするケースの方が若干多い気がします。

③ カッコは省略する(隠れているカッコあり)

\[  \frac{(x+2)}{3}=\frac{x+2}{3}\; \]

最後は,分数におけるカッコの省略についてです。

次の例のように,カッコが分母または分子の一番外側にある場合は,カッコを省略します!

【例】

\[ \displaystyle\frac{(x+2)}{3}=\frac{x+2}{3}\]

\[ \displaystyle\frac{1}{(x-1)}=\frac{1}{x-1}\]

右辺と左辺を逆にして

\[ \displaystyle\frac{x+2}{3}=\frac{(x+2)}{3}\]

という使い方も重要です。

「省略されているカッコをつけて計算を進める」のです。

例えば,次のような計算を考えてみましょう。
\begin{align*}
&\frac{x+1}{2}\times \frac{3}{4}\\
&=\frac{(x+1)}{2}\times \frac{3}{4}\\
&=\frac{(x+1)\times 3}{2\times 4}\\
&=\frac{3(x+1)}{8}
\end{align*}

このように,\( \displaystyle \frac{x+1}{2}\) の分子の式\(\; x+1 \; \)に,省略されたカッコをつけて計算を進めていきます。

分数にはカッコが隠れている!

分数の計算を進める際は,カッコが隠れていることを常に意識しておくことが重要です。

【参考】高校数学で出てくるルート計算

参考までに,高校数学で出てくるルート計算の導入部分を紹介しておきます。
\begin{align*}
&\frac{2}{\sqrt{3}+1}\times \frac{\sqrt{3}-1}{\sqrt{3}-1}\\
&=\frac{2}{(\sqrt{3}+1)}\times \frac{(\sqrt{3}-1)}{(\sqrt{3}-1)}\\
=&\frac{2(\sqrt{3}-1)}{(\sqrt{3}+1)(\sqrt{3}-1)}\\
=& (以下省略)
\end{align*}
このような計算が高校数学で登場します。

重要なのは,「省略してあるカッコをきちんと書くこと」です!

練習問題にチャレンジ!

問題1

\( -\displaystyle\frac{-5}{8} \)を簡単にしなさい。

解答

分子のマイナスを前に出し,マイナスかけるマイナスがプラスになることから答えは次のようになります。

\begin{align*}
-\frac{-5}{8}&=-1\times \frac{-5}{8}\\
&=-1\times \left( -\frac{5}{8}\right) \\
&=\frac{5}{8}
\end{align*}

【参考】以下の例も参考にしてみてください。

\[ -\frac{5}{-8}=\frac{5}{8}\]

\[ \frac{-5}{-8}=\frac{5}{8}\]

\[ -\frac{-5}{-8}=-\frac{5}{8}\]

 

問題2 \(\; \displaystyle\frac{x}{-3} \)の係数を求めなさい。

解答

※係数は文字以外の数の部分のことです

分母のマイナスを前に出し,分母の\( x \) を右側に移動します。

\[ \frac{x}{-3}=-\frac{x}{3}=-\frac{1}{3}x \]

これより,係数は
\[ -\frac{1}{3} \]
ということがわかります。

問題3

\( \displaystyle\frac{(x-6)}{-2} \) を簡単しなさい。

解答

分母のマイナスを前に出し,分子のカッコを省略します。

\[ \frac{(x-6)}{-2}=-\frac{x-6}{2} \]

まとめ

今回は「教科書にはまとめられていない」重要事項をいくつかご紹介しました。

要点を復習しておきます。

分数の式変形 3パターン

① \( \displaystyle \frac{-2}{3}=\frac{2}{-3}=-\frac{2}{3}\)

② \( \displaystyle\frac{3x}{5}=\frac{3}{5}x\)

\(\;\;   \displaystyle\frac{x}{5}=\frac{1}{5}x\)

③ \( \displaystyle\frac{(x+2)}{3}=\frac{x+2}{3}\)

言葉で説明すると

① マイナスは「分母」「分子」「分数の前」に自由に移動できる

② 分子にある文字は右側に移動できる

③ カッコは省略する(隠れているカッコあり)

どれも基本中の基本ではありますが,教科書には書かれていません。

学校でも知っていて当然のこととして授業が進んでいく場合が多いですが,分数計算の土台となるとても重要な変形ですので,使いこなせるようしておきましょう!

今回は以上です。

最後までお読みいただき,ありがとうございました。

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数学・統計学
シグマ先生
数学講師/Udemyベストセラー講師/数学の苦手を治します/塾・予備校・高校講師歴20数年/分かりやすい解説/偏差値40から65へ/数学検定対策/数学で困っている人の役に立ちたい

妻・子供2人と4人暮らし。週末はキャンプやスキー、温泉旅行などアクティブに活動中/数学検定1級
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