数学検定

【数学検定1級】勉強法とおすすめ参考書・問題集「やさしくわかる統計学のための数学」

今回は、数学検定1級の確率・統計の分野に関する本の紹介です。

統計学を初めてを勉強する方や、一度習ったけど忘れてしまった、もう一度基礎から学びたい。そんな方におすすめしたいのが「やさしくわかる統計学のための数学」です。

私の場合、統計学で1級対策の本を探すのに結構苦労しました。

本書は2019年5月に出版されたばかりの本で、確率統計の基礎や、数学検定1級2次の土台となる部分を学ぶことができます。スッキリとした構成で、本書のお陰で頭の中が整理されました。

1級対策を始めてから、マセマシリーズなどで一通り確率統計の学習を終えたのですが、頭の中がまとまらず、他の問題集にも取り組みたいと考えていました。

そんなとき書店で見つけたのが本書です。

本書のサブタイトルが「中学レベルからはじめる!」となっていて、「確率、分布、偏差、推定、検定、相関、回帰」などの統計に使用するツールの「数学」を丁寧に解説しています。数検1級対策の基礎本としておすすめできる本です。

それでは、本書の特徴をご紹介していきます。

統計学は「数式」がある方が理解しやすい

統計学の本には様々なタイプがあり、現在数多くの本が出版されています。

最近では、数式に苦手意識のある読者に向けて書かれた「数式をなるべく使わない」タイプの本が流行っている印象があります。

本好きな私は、統計学だけでも何冊かの本を購入して読んでみました。

この手の「数式を使わない」タイプの本を読んで、私がたどり着いた結論は

「統計学は数式があった方が断然理解しやすい!」←あくまでも私の意見

です。私が今までずっと数学に関わってきたから、こう感じたのかもしれませんが、数式だた簡単に表現できることが、言葉にすると逆にややこしくなって理解がしにくいのです。

もちろん、数式に苦手意識がある読者にとっては、とっつきやすいものも多く、よく考えられた素晴らしい本ばかりなのですが、私の場合は

  • 数式がないと表現が長くて理解しにくくなる
  • 数式で示したほうが分かりやすい
  • 数式がないと、頭の中が整理されにくい

と感じてしまいます。

本書は統計学で使われる数学に特化している

数式があった方がいいが、専門書を読むのは骨が折れる。そんなときに見つけたのが本書です。

本書では、統計のもとになっている「数学」としての意味を、分かりやすく解説しています。

サブタイトル「中学レベルからはじめる!」にあるように、おおよそ中学数学の知識からでも理解できるようになっています。

本書の中には、シグマ記号、反復試行の確率、積分なども出てきて、正直、中学数学だけの知識だけでは、やや厳しいかなという印象もありますが、丁寧な解説がありとても読みやすいです。

逆に言うと、厳密な証明等を求めている場合は、他の本に当たった方がいいのかもしれません。

主な特徴

全部で8章

第1章 データを整理する

第2章 統計を理解するためのキホンの確率

第3章 正規分布なしでは生きられない

第4章 部分から全体を推定する(基礎編)

第5章 部分から全体を推定する(発展編)

第6章 仮説を検証する 仮説検定(基礎編)

第7章 仮説を検証する 仮説検定(発展編)

第8章 データ間の関係を分析する

中学レベルの数学から段階的に解説

度数分布表の作り方から始まります。

例えば、平均の求め方では「算術平均」「加重平均」「度数分布表から求める平均」「幾何平均」「調和平均」と段階を追って進んでいきます。

図版が多く、分かりやすく読み進めることができます。

例題と練習問題が分かりやすい

各節には例題と練習問題が用意されています。

問題は分かりやすくイメージのしやすいものばかりですので取り組みやすいです。

例題の解答は、何ページにもわたって丁寧に解説されているものもあります。

難しい概念は簡単に解説

理解が難しい、大数の法則や中心極限定理もコンパクトに要点がまとまっているので、わかりやすいです。

中心極限定理の証明などはありません。これ結構難しいですからね。
厳密さを求める場合には、他の書籍で学習する必要はあります。

チェビシェフの不等式については簡単な証明がありました。

ポアソン分布などはコラムで扱いのみです。

ところどころで、表計算ソフトExcelを用いた計算も紹介されていて、実用的です。

推定 基本的な方法は網羅されている

推定については基本的なものは網羅されています

  1. 母比率の推定
  2. 母平均の推定(母分散既知)
  3. 母平均の推定(母分散未知)
  4. 母分散の推定(母平均既知)
  5. 母分散の推定(母平均未知)

第344回検定の2次では、上記③の母平均の推定(母分散未知)の問題が出題されました。t分布を用いる問題で、本書の例題と全く同じ形式です。

問題のレベルにもよりますが、

2次検定といえども本書レベルの数学力があれば解ける!

ということが確認できました。

検定 「適合度検定」や「独立性の検定」まで扱いあり

仮説検定についても、基本的な考え方から丁寧な解説があります。

本書の特徴的なところは、マセマシリーズなどでは扱われなかった

  • 母比率の検定
  • ウェルチのt検定
  • 適合度検定
  • 独立性の検定

などの扱いがあることです。

これらの事項については、問題を探すのも大変な場合があるでしょう。

▲仮説検定一覧

 

本書は「やさしわかる」というタイトルのわりに、仮説検定については、結構様々なタイプまで扱ってくれていますので、1級受検生にとってはありがたいはずです。

例題も平易なので理解しやすいです。

私の取り組み方

私が本書を知ったのは、数検1級の学習をはじめてからだいぶたってからになります。マセマシリーズを2~3回繰り返し、過去問を解き終えてから本書に入りました。

確率統計の学習の一番最初に本書を使うのもいいと思います。

1章~3章、8章はざっと読み流し。

4章から7章までの「推定」と「検定」の分野は丁寧に問題を解きながら繰り返し勉強しました。時間はあまりなく、2回くらい繰り返しただけです。

時間はかかりません!

特に「推定」と「検定」の分野は、初めて勉強する場合、頭の中が混乱しやすいと思います。

私は、この分野については、全体像をつかむことが重要だと思い、大事な部分についてはノートに書き出し、頭の中を整理しながら勉強をしました。

まとめ

数学検定1級の「統計」は得点しやすい分野です。

1次検定には必ず1題、確率統計からの出題もあります。2次で出題される問題もある程度パターンが決まっています。

本書で、基本的なことを学び、過去問を回すことで、「統計」については得点源にすることも可能だと思います。

これから受検を目指すみなさん、ぜひ一緒に頑張りましょう!

中学レベルからはじめる!「やさしくわかる統計学のための数学」 おすすめです。

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