今回ご紹介するのは田坂広志さんの著書「すべては導かれている」です。
私はこの本を読んで、魂に衝撃が走りました。この本の教えを生涯忘れずに生きていこうと思いました!
本書は、いま、逆境の真っただ中にいるという方に是非読んでほしい本です。
- 仕事を失った
- 医者も救えない思い病気かかってしまった
- 大きな事故を起こしてしまった
- 愛する人との離別
- 貧しい生活での困難
いかなる逆境であろうとも、その逆境を超える、究極の言葉。
それは「すべては導かれている」という言葉です。
本書を最初に読んだのは約2年前でしたが、最近になって「もう一度、読み返したい」という気持ちが湧いてきました。230ページほどの本ですが、行間をたっぷりとってあるので、短時間で読み終えることが可能です。
それでは、本書の要点をご紹介していきます。
我々の人生を導く『大いなる何か』の存在
人類数千年の歴史の中で、実に数多くの人々が、「神」、「仏」、「天」といった言葉で、「大いなる何か」の存在を信じ続けてきました。
スピリチュアルなイメージを嫌う人もいると思いますが、優れた先人たちがこの「大いなる何か」の存在を信じ、「自分の人生は、大いなる何かに導かれている」という信念を持っていたのは、まぎれもない事実です。
科学的には「大いなる何か」の存在を証明はできません。
しかし、優れた先人たちのように、もし、自分がこの「大いなる何か」によって「すべては導かれている」ということを、1つの覚悟として定めるならば、人生に次のような変化が表れてきます。
- 日々の出来事の「意味」が全く、違って見える
- 逆境に向き合う「勇気」が湧き上がる
- 逆境を超えるための「直感」がひらめく
- 逆境を超えるための「運気」を引き寄せる
つまり、「大いなる何か」の存在を信じ、「すべては導かれている」と覚悟を決めることで、想像を超えたこと、不思議なことが起こり始めるのです。
生死の狭間で禅師が語った言葉
著者の田坂さんは、1983年の夏、救いのない逆境の中にいました。医師から、「もうそれほど長くは生きられない」ということを宣告されたのです。
自分の命が刻々と失われていく恐怖、絶望感。
そんなときに、両親から、難病を抱えた人々が訪れる禅寺へ行くことを勧められました。畑を耕す労働の日々を送って、ようやく9日目に、その寺の禅師との接見の機会があたえられます。
禅師の語った言葉は、耳を疑う言葉だったそうです。
だがな、一つだけ言っておく。人間、死ぬまで、命はあるんだよ!
そして、次の禅師の言葉によって、田坂さんは人生の覚悟を決めます。
過去は、無い
未来は、無い
有るのは
永遠に続く
いま、だけだ
いまを、生きよ!
いまを、生き切れ!
いまを、生きよ! いまを、生き切れ!
この日以来、田坂さんは、目の前に与えられたかけがえのない一日を「生き切る」覚悟を定めたのです。
この病のために、今日という一日を失うことは、絶対に、しない。
・・・
与えられた今日という一日を、精いっぱいに生きよう。
この一日を、精いっぱいに生き切ろう。
感動しました。人生に過去も未来もない。あるのは今だけ。だから「今を生き切る」。
そして、この覚悟を決めることで、不思議なことに、心の奥から生命力が湧き上がって、いつか、病は消えていったそうです。
そればかりか、自分の中に眠っていた可能性が、開花し始めたそうです。
そして「直感」が鋭くなり「運気」を引き寄せるようになったのです。
5つの覚悟
この経験から、田坂さんは覚悟を定めます。
逆境を越えるための「五つの覚悟」です。
この覚悟を定めるならば、必ず心の奥から、その逆境を越えていく力と叡智が湧き上がってきます。そして、想像を超えたこと、不思議なことが起こり始めます。
【覚悟1】自分の人生は、大いなる何かに導かれている
人生で起こる様々な出来事。これらはすべて「大いなる何か」の導きです。
今までの人生で、次のように感じた経験をお持ちの方も少なくないでしょう。
「ああ、あの人と出会ったことで、人生が好転した」
「ああ、あの出来事があったから、進むべき道が見えた」
「あれは何かの導きだったのかもしれない」
一見「不運に思える出来事」も、振り返れば、「幸運な出来事」ととらえることができた経験は、誰にもあるはずです。
「自分の人生は、大いなる何かに導かれている」という覚悟を持つと、その瞬間から、人生の風景が、全く違って見えるようになるのです。
【覚悟2】人生で起こること、すべて、深い意味がある
多くの方が「人生の出来事に、何かの意味を感じる」という経験を少なからずしているのではないでしょうか。
「人生で起こること、すべて、深い意味がある」という覚悟を定めることができれば、人生というものが、気まぐれな「偶然」に左右されたり、不運な出来事によって翻弄されるものであるという恐怖の感覚から解き放たれます。
そして、次のように「この出来事には、大切な意味がある。それは、どのような意味か」と、起こった出来事に対して、肯定的に向き合うことができるようになります。
「この苦労は、自分に、何を教えようとしているのか」
「この失敗は、自分に、何を学ばせようとしているのか」
「この挫折は、自分に、何を掴ませようとしているのか」
「この病気は、自分に、何を伝えようとしているのか」
そして、人生における不運や不幸に見える出来事に対して、その「意味」を感じるために必要なのが「解釈力」です。
何が起こったか。
それが、我々の人生を分けるのではない。
起こったことを、どう解釈するか。
それが、我々の人生を分ける。
「解釈力」を正しく発揮するためには、心の中の「小さなエゴ」に左右されないことが必要になります。
「小さなエゴ」とは「私欲」「我欲」のことです。
例えば、出世を争っていた同僚が、先に出世したとき、「なんで、あいつが!」と心の中で嫉妬するのが「小さなエゴ」です。
「小さなエゴ」に処する方法は
心の中の「小さなエゴ」の動きを、静かにみつめる
これが、唯一の方法だそうです。
「ああ、いま自分は同僚に嫉妬している」
「ああ、いま自分は怒っている」
と静かに自分自身の小さなエゴを見つめるのです。
【覚悟3】人生における問題、すべて、自分に原因がある
「人生における問題、すべて、自分に原因がある」という覚悟が定まると、真の強さが身につきます。
心理学の言葉で「引き受け」という言葉があります。
「引き受け」とは
たとえ、自分に直接の責任が無いことでも、
すべてを、自分の責任として、引き受けること。
です。
例えば、「部下のミス」については
「この問題は、たしかに、直接的には部下の責任であるが、この部下が、このタイミングで、このミスを犯したのは、やはり、現在の自分の心の姿勢が引き寄せたものではないか・・・」
と考えることです。深いですね。
この「引き受け」の姿勢を貫くことで「静かな強さ」を身につけることができます。
「静かな強さ」とは「人間が持つべき真の強さ」つまり、「魂の強さ」です。
もし、我々が、この「静かな強さ」を身につけることができるならば、いかなる逆境が与えられても、感情に流されることなく、自分の「小さなエゴ」に振り回されることなく、目の前の問題を、自分自身の問題として受け止め、自分に与えられた課題に正対することができます。
「静かな強さ」を身につけることで、自分の中の「小さなエゴ」に振り回らせることなく、逆境を乗り越え、成長していくことができるのです。
【覚悟4】大いなる何かが、自分を育てようとしている
「大いなる何かが、自分を育てようとしている」という覚悟を定めることで、「究極の解釈力」を身につけることができます。
これは【覚悟2】の「人生で起こること、すべて、深い意味がある」にも関連していますね。
「大いなる何かが、自分を育てようとして、この逆境を与えた」という解釈によって、悲観的・否定的な想念が、深層意識に浸透するのを防ぎ、楽観的・肯定的想念を育んでくれます。
そして、この解釈を覚悟に変えることで
「ああ、この苦労は、自分に、このことを教えようとしているのだ」
「ああ、この失敗は、自分に、このことを学ばせようとしているのだ」
「ああ、この挫折は、自分に、このことを掴ませようとしているのだ」
「ああ、この病気は、自分に、このことを伝えようとしているのだ」
という肯定的な思いで、逆境を見つめることができるようになります。
つまり、逆境は素晴らしい成長の機会だととらえることだできるようになります。
そして、
「大いなる何かが、この逆境を通じて、自分を育てようとしている」
「この逆境が、自分を育てることを通じて、多くの人々の幸せのために、素晴らしい何かを成し遂げようとしている」
と覚悟を定めることで、想像を超えた不思議と呼ぶべきことが起こりはじめるのです。
【覚悟5】逆境を越える叡智は、すべて、与えられる
「逆境を越える叡智は、すべて、与えられる」と覚悟を定めると、目の前の逆境を越える叡智が、想像を超えた、不思議な形で与えられます。
想像を超えた、不思議な形とは
- 直感
- 予感
- コンステレーション
- シンクロニティ
- 運気
です。詳しくは、本書をお酔いいただきたいのですが、
「必要なアイディアは、何かに導かれるように、心の奥深くから湧き上がってくる」
のだそうです。
ただし、心が「小さなエゴ」に囚われているときには、その「叡智」は湧き上がってこないので注意しましょう。
もし、あなたが、「いまを生き切る」という覚悟を定め、必要な叡智は、すべて、与えられる」ということを深く信じ、力を尽くして、目の前の仕事に取り組むならば、必ず、あなたの心の奥から「叡智」が湧き上がってきます。
まとめ 人生で起こること、すべて良きこと
著者の田坂さんは、禅師の言葉によって、「いまを生き切る」という覚悟を定めました。
覚悟を定めると、次の思いが心に浮かび上がってきたそうです。
我々の人生においては、不運も不幸も無い。罪も罰もない。一つとして悪しきことは無い。
このブログを書いている、わたし自身が座右の銘としているのが「必要・必然・ベスト」という言葉です。船井幸雄さんの言葉で
「一見、不運に思えることが起こったとしても、振り返ってみれば、それは自分自身にとって必要なことであり、必然、つまり必ず起こるはずのものであり、ベスト、つまり最良のできごとなのだ」という考え方です。
本書の内容は、私が座右の銘としている、この「必要・必然・ベスト」と通じるものがあると感じました。
我々の人生は、大いなる何かに導かれている。そして、その大いなる何かは、我々に、素晴らしい人生を送らせようとしている。
それゆえ、我々の人生において起こる、不運な出来事や不幸に思える出来事と思えることは、実は、我々に大切なことを教えてくれる出来事であり、我々を成長させてくれる有り難い出来事である。
これが、「すべては導かれている」の思想です。
人生をすべて肯定する
人生で起こること、すべて良きこと
本当にすばらしい教えですね。
私も「すべては導かれている」と覚悟を決めて、これからの人生を歩んでいこうと思いました。
「すべては導かれている」おすすめです!