書評

【書評】「エフォートレス思考」無駄な努力0%にして成果を100%にする方法

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・全力を出しているのに、 全然足りない。

・最も重要な仕事だけに絞ってやっているのに、なぜか時間がない。

・もっとやりたいことがあるのに、どこにも余裕がない。

こんな悩みを解決してくれるのが、グレッグ・マキューン氏の著書「エフォートレス思考」です。

本書は世界的ベストセラー となった「 エッセンシャル思考」の続編です。

「エッセンシャル思考」は、「 自分にとって本当に重要なものを見極め、そこにエネルギーを集中させることで最高のパフォーマンスを発揮する」思考法でした。

【要約】「エッセンシャル思考」をまとめてみました【おすすめ本です!】 このような悩みを持っている方におすすめの思考法があります。 それが「エッセンシャル思考」です。 今回、参考に...

 

これに対して、エフォートレス思考は「努力を最小化して、成果を最大化する」思考法です。

エフォートレスは英語でeffortless。

文字通りeffort(努力)をless(少なく)する思考です。

「できるかぎり楽な方法を考える思考法」と言ってもいいでしょう。

それでは、私が本書から学んだポイントをご紹介していきます。

エフォートレス思考とは(エッセンシャル思考だけでは足りなかった)

エフォートレス思考とは「 どうすればもっと楽になるだろう?」 と考える思考のことです。

エッセンシャル思考だけでは足りない

著者のグレック氏は、 前著『エッセンシャル思考』を 出版したあと、 世界中を飛び回る忙しい生活が続いていました。

講演会をしたり、サイン会を行ったり、 大切なメッセージを人々に語りかけたり・・・

一方、 家庭では4人の子供の父親となりましたが、「家族は彼の最優先事項」であり、 持てる力の全てを家族のために使いたいと考えていました。

時間を捻出するために、 優先順位の低い仕事をどんどん削りました。

執筆の仕事、講師の仕事、 ビジネスを始める計画も一旦保留にしています。

エッセンシャル思考を体現しようと頑張っていましたが、それだけでは全く時間が足りないことに気づきます。

さらに、娘さんがてんかん発作を起こすという緊急事態が襲い掛かり「このままじゃ、むりかもしれない。」という状況に陥ってしまいました。

この経験から生み出されたのが「エフォートレス思考」です。

努力を最小化し、成果を最大化する

世の中には「努力こそが成功に必要」ととらえる考えが蔓延していますが、エフォートレス思考は「努力」に頼らない「別の方法」を探る思考法です。

「 今のやり方が、唯一の道ではない」
「 何もかもが、そんなに大変である必要はない」
「 成果を上げるために、常に疲れ切っている必要はない」

あなたが取り組んでいる方法よりも、もっと楽な方法があるはず!

力ずくで頑張るのではなく、 1番楽なやり方で最優先事項に取り組む。

力を入れるのではなく、 力を抜いてスマートにやる。

この考え方が本書のメインテーマです。

「我慢」を「楽しい」に変える

お風呂の中から連絡をする

あるときグレッグ氏は、 1週間の出張を終えて家に帰り、大量の着信とボイスメールに頭を抱えていました。

今から全員に電話をするのかと思うと、心が沈みます。

そんなときに「どうすれば楽しくみんなに連絡できるだろう?」と考えます。

そして思いついたのが、ゆっくりお風呂につかりながら電話をするというアイデアです。

お風呂に入りながら電話をすることで疲れも癒やされ、「いま風呂の中から電話しているんですよ」と話すことで、笑いながらなごやかに相手と会話をすることができたそうです。

面倒なことを「努力」や「我慢」で乗り切るのではなく、 「楽しい」に変える工夫が功を奏した事例ですね。

歯磨きタイムを楽しい時間に

我が家では、子どもたちが「なかなか歯磨きをはじめない。始めてもテレビを見ながらで歯磨きが終わらない。」という問題がありました。

この状況をなんとかしたいと思い、本書で学んだことを試してみました。それは

「歯磨きをする時間になったら子どもの大好きな音楽をかけてみる」というものです。

子どもが「面倒」と感じることを「楽しい」に変える作戦です。

5分くらいの音楽をやや大きめの音で部屋に流し、「この音楽が流れている間は歯磨きタイムだよ。音楽がおわるまでに歯磨きをおわらせようね。」と子ども達に伝えました。

結果は大成功!

子ども達はすぐに歯磨きにとりかかり、集中して歯磨きを終えることができました。

好きな音楽のおかげで、歯磨きの時間が楽しい時間に変わったのです。

「曲が終わったら歯磨き終了」というように終わりの時間も指定しているので、だらだらと磨き続けることもありません。

いままで、毎日のように「歯磨きしなさい!はやく歯磨きを終わらせなさい!」と注意し続けても改善しなかったのが嘘のようです。

このように「面倒なこと」を「楽しいこと」と結びつけることで問題を改善していくのがエフォートレス思考です。

すばらしいですね!

ゴールを明確にイメージする

「ゴールを明確にイメージする(設定する)」ということは、多くのビジネス書で言われています。

私は本書を読んで、この「ゴールを明確にイメージする」ことの大切さがとてもよく理解できました。

「明確なゴールをイメージ」するのは「エフォートレス思考」でした!

「明確なゴールをイメージ」することで「より楽に成果を得る」ことが可能になります。

修正しすぎてはいけない

グレッグ氏の担当編集者は以前、ある著者からおもしろそうな本の企画を受け取ったそうです。

その編集者が概要とサンプルを丁寧に読み終わったところで、著者から別のバージョンが届きます。

「少し変更があります」と言うのです。

ほとんど同じような内容でしたが、編集者は目を通します。

すると2日後に、また別のバージョンが届きます。

いつまでたっても、著者が修正を止められないのです。

資料の修正はきりがない

私にも同じような経験があります。

ある資料が完成したにもかかわらず、気になるところがあって修正したい旨を申し出ました。

修正案を提出したのに、またある部分が気になって再修正。

それでも、まだ修正したいと思ってしまう自分がいました。

資料は情報を伝えることが目的であり、細かい部分の体裁を整えるような修正したところで成果はほとんど変わりません。

修正にかかる時間や労力をかなり無駄にしてしまい、周りに迷惑もかけてしまった、と反省しています。

コストとリターンが逆転するちょうど手前を「完成」とみなす

プレゼンなどの資料は、修正しようと思えば、いくらでもできてしまうので、きりがありません。

頑張って修正すれば成果が得られるかというと、そういうわけでもありません。

ある程度のところで「完成」としないと、手間ばかりかかって成果はほとんど得られませんよね。

つまり、修正にかかるコストが、それによって得られるリターンを上回ってしまうのです。

修正しすぎてはいけないと言うことをよく理解することができました。

 

著者の考える「完成」は「コストとリターンが逆転するちょうど手前」だそうです。

さっそく私も、この考え方を取り入れていきたいと思います。

 

時間と努力を無駄にしないためにも、「完成」つまり「ゴール」のイメージを明確に定義することが重要です。

そして、自分が定義した「ゴール」にたどりついたら、潔く終了とする。

ぜひ身につけたい思考法ですね。

やることの上限と下限を決める(早く着くために、ゆっくり進む)

1日に書く量の上限を決めていたベストセラー作家

18冊ものベストセラー小説を書いたリサ・ジュエルさんが、1日に書くのはおよそ1000ワードだそうです。

意外に少ないと思いませんか?

彼女は次のように話しています。

自分のペースを守りましょう。

書くペースを上げすぎると、脱線して道を見失います。

たまにしか書かないでいると、勢いがなくなります。

私自身、資格の勉強をしていた際、調子がいい時はまとめて一気に頑張ろうとしていました。

一方、調子の乗らない時は無理せず休んでいました。

その結果感じたのは「まとめて一気に頑張っても、同じ成果が得られるとは限らない」ということでした。

早く着くために、ゆっくり進む

20世紀初頭の南極点への到達のエピソードが印象的でした。

1991年、スコット氏とアムンセン氏のあいだで南極点到達レースが開始されました。

スコットは、天気がいい日には、チームが疲れ果てるまで前身を続けました。悪天候の日には、テントにこもって不満を日記につづっていたと言います。

一方、アムンセンのチームは天候に関わらず、毎日正確に15マイルずつ前進することに決めていました。それ以上でもなくそれ以下でもなく、きっちり15マイルです。雨が降ろうが晴れようが関係ありません。たとえゴール目前でも一気に進んだりしませんでした。

結果、アムンセン隊は南極を制覇し、スコット隊は全員が亡くなってしまったそうです。

「大きな苦労もなく」目的地に到達できた秘訣は、一定の持続可能なペースを設定したことに尽きるといいます。

アムンセン隊は「早く着くために、ゆっくり進む」方法をとり、南極点制覇を成し遂げたのです。

上限と下限を設定する

調子がいいときは、「まとめて一気に頑張りたい」という誘惑にかられます。

しかし、全力疾走は実際リスクが大きい。

最初から頑張りすぎると、息切れして結果的にはおそくなってしまうことが多いのです。

そこでおすすめなのが「上限と下限を設定する」というものです。

例えば

  • 本を執筆する場合、下限が1日500語、上限が1日1000語とする
  • 本を読む場合、下限1日5ページ、上限が1日25ページする
  • オンラインコースを受講する場合、下限は毎日必ずログインする、上限は1日の学習時間は50分以内

といった具合に、上限と下限を設定しましょう。

自分にとって適切な範囲を見つければ、安定したペースで着実に前進することができます。

調子がよくても「上限を超えない」というルールを守るのです。

これこそが、エフォートレスな思考です。

まとめ

大きな目標を達成するには、努力や苦労がつきものだと考えられています。

しかし、実際には

  • 頑張りすぎると疲労だけが溜まっていきます。
  • やるべきことが無限に増え続けていきます。

では、どうしたらよいのか?

その答えの一つが「エフォートレス思考」にあります。

エフォートレスな思考を身につければ、「無駄な努力を0%にし、成果を100%にする」ことも不可能ではありません。

あなたも、ぜひ1度本書を手にとって、「楽に成功する生き方」を目指してみませんか?

今回は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

数学・統計学
シグマ先生
数学講師/Udemyベストセラー講師/数学の苦手を治します/塾・予備校・高校講師歴20数年/分かりやすい解説/偏差値40から65へ/数学検定対策/数学で困っている人の役に立ちたい

妻・子供2人と4人暮らし。週末はキャンプやスキー、温泉旅行などアクティブに活動中/数学検定1級
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