
このような悩みを持っている方におすすめの思考法があります。
それが「エッセンシャル思考」です。
今回、参考にした本はこちらです。
私が今年読んだ本の中で1番よかった本です!
全力でおすすめできる本です!!
著者はグレッグ・マキューン氏。
グレッグ氏は、アップル、グーグル、フェイスブック、ツイッター、リンクトイン、セールスフォース・ドットコム、シマンテックなどの有名企業にアドバイスを与えているコンサルティング会社THIS Inc.のCEOです。
それでは、エッセンシャル思考についてみていきましょう。
エッセンシャル思考って何?

エッセンシャル思考とは「より少なく、しかしより良く」を追求する思考法です。
あれもやって、これもやって、・・・とたくさんのことに手を出していたら、時間がいくらあっても足りません。
1つのことにエネルギーを集中させることもできないと、成果を上げるのが難しくなります。
その結果、多くの人は疲弊していきます。
そんな状況に陥ってる人を救う最後の方法が「エッセンシャル思考」すなわち「より少なく、より良く」なのです。
つまり、「エッセンシャル思考」とは「自分にとって本当に重要なものを見極め、そこにエネルギーを集中させることで最高のパフォーマンスを発揮する」思考法のことなのです。
このような思考法を身につけ、実践していくことは極めて重要です。
エッセンシャル思考の核となる考え方は3つ

エッセンシャル思考には、核となる考え方が3つあります。
①自分で選ぶ力を取り戻す
②世の中の大半のものには価値がなり(ノイズである)
③何かを選ぶことは、何かを捨てることである(トレードオフ)
1つずつみていきましょう。
自分で選ぶ力を取り戻す
まず質問です。
「人生でたった1つのことしかできないとしたら、あなたは何をしますか?」
どうでしょう?
この答えが、あなたが集中して取り組むべきことです。
世の中は様々な情報であふれています。
「自分で選ぶ」という選択をしないと、やりたいこと、やらなければならないことはどんどん増えていき、いくら時間があっても足りません。
自分の人生にとって本当に大事なことを、主体的に選択していく。
「いつもやっているから」「毎年やっているから」という理由で、今回もやるという決定を安易にしてはいけません。
今やろうとしていることは「本当にやるべき価値があるのか?」と自分自身に問いかけて、やるべきことを自分で選ぶ力を取り戻しましょう。
世の中の大半のものは価値がない(ノイズである)
世の中の大半のものには本当の価値はありません。つまり、ほとんどのものが「ノイズ」なのです。
「パレートの法則」をご存じでしょうか。
パレートの法則とはイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した法則で、「成果の80%は全体の20%の努力から生まれる」というものです。
「80:20の法則」ともいわれていますね。
「価値があるのは20%のごく少数の部分であり、残りの80%の大多数のものには価値がない」と考えてもいいのではないでしょうか。
価値がないものに人生の大切な時間を奪われるのは避けたいものです。
不要な部分はバッサリと切り捨て、本当に価値のある部分にエネルギーを集中させていくことが大切ですね。
何かを選ぶことは、何かを捨てることである(トレードオフ)
何かを得ると、別の何かを失う。この相いれない関係を「トレードオフ」といいます。
世の中にはどちらも捨てがたい状況がたくさんあります。
高い給料か長い休暇か。高品質か低価格か。
正直、どちらも捨てがたいですね。
しかし、「何かを得るということは、何かを失うということ」ということを理解しておく必要があります。
つまり、成功したいなら、その代償は何か?ということです。
自分自身は「何を選び、何を捨てるのか」を明確にしましょう。
そして、その選択したものに全力投球していく。
物事にはトレードオフの関係があることを覚えておくことが重要なのです。
以上3点を簡単にまとめると
- 自分でやると決める
- 大事なものはめったいない
- 何でもできるが全部はやらない
となります。
エッセンシャル思考を身につけるサイクル(3つ)
エッセンシャル思考を身につけるためには、どのようにしたらよいのでしょうか?
本書では、「エッセンシャル思考を身につけるサイクル」が紹介されています。
それは
・見極める
・捨てる
・しくみ化
を回していくことです。
この「見極める」「捨てる」「しくみ化」を簡単に説明すると次のようになります。
1 見極める
「何をやるか?」「なぜやるか?」「いつやるか?」を見極める。
2 捨てる
すべてを手に入れることが不可能なら、何かを捨てるしかない。
不要なものを捨てれば、必要なことをするための余裕ができる。
3 しくみ化
努力と根性でやり遂げるのではなく、頑張らなくても実現できるしくみをつくる。
「見極める」「捨てる」「しくみ化」のサイクルと次のように回していきます。
見極める→捨てる→しくみ化→見極める→捨てる→しくみ化→ ・・・
このようにサイクルを回していくことで、得られる成果はどんどん大きくなっていくそうです。
もう少しくわしく見ていきましょう。
1 見極める

本書では「何をやるか?」「なぜやるか?」「いつやるか?」を見極める技術がいくつか紹介されています。
ここでは、私の心に響いた次の3つの方法をご紹介します。
考えるための時間を作る
ジェフワイナーCEOは1日2時間の空白をスケジュールに入れているそうです。
ビルゲイツも2年に2回、1週間の考える週を設定しています。
自分にとって最も大事なことを見極めるためにも、静かに自分と向き合って考える
時間がどうしても必要になってきます。
情報の本質を見極める
少し難しいかもしれませんが、要はジャーナリスト的な視点をもつということです。
いつもとは別の視点で考えるといってもいいでしょう。
例えば、コロナの話題で登場することが多くなった、大阪の吉村知事はいつもmizunoのロゴの入ったポロシャツを着ていました。
こんな時にも「なんで、この服をいつも来ているのかな?」と、その本質までつっこんで考えることが大切です。
これ以外にも、「なぜ政府がアベノマスクを配ることにしたのか」「なぜ公明党は離党をかけてでも特別定額給付金の支給にこだわったのか」、その本質はなんなのか。
このように深掘りし、情報の本質を見極めることが重要です。
90点ルール
90点以上という厳しい基準を設け、選択の基準にするルールです。
具体的には次のようにします。
90点ルールとは
①自分がやろうとしていることや仕事を選択する際の最重要基準を決める
②最重要基準にしたがって100点満点で評価する
③その中で90点以上のものだけを選択する
「最重要基準」とは選択する際の基準の中で、自分が重要視する基準です。
例えば人を雇う場合、「健康的で元気である」「この仕事が好きである」「コミュニケーション能力が高い」「学力が高い」・・・などの基準があると思いますが、この中で最も重視する基準を決めます。
この基準にしたがって100点満点で評価したとき、90点未満のものはたとえ点数が高くても0点と同じであると考え、切り捨てていく思考です。
つまり「これしかない!」というものを選択するのです。
「絶対にイエスと言い切れないなら、それはすなわちノーである。」と考えましょう。
2 捨てる

すべてを手に入れることが不可能なら、何かを捨てるしかありません。
不要なものを捨てることができれば、必要なことに集中することができます。
では、捨てる技術にはどのようなものがあるのでしょうか?
私が気になった3つの方法について、ご紹介していきます。
完全に明確な目標を決める
人生にとって不要なものを捨てるために必要なのが「完全に明確な目標を決める」ことです。
本書のなかで、「かなり明確」ではだめで「完全に明確」にするという言葉がありました。
本質的な目標といってもいいでしょう。
本質目標は具体的で、魅力的であることが絶対条件です。
これを決めることで、自分が捨てるものがはっきりしてくるのです。
「何を捨てようか」ではなく、「何が目標なのか」から捨てるべきものが自然と浮かび上がってきます。
過去の損失を切り捨てる
現在YouTuberとして活躍されているイケハヤさんは、過去にはプロブロガーとして月300万円を稼ぎ出していました。
しかし、イケハヤさんはこのブログをバッサリ切り捨て、YouTuberへの道を選択しました。
私は当初、「ブログにものすごい労力と時間をかけたのにもったいない」と感じました。
別の例として、例えば行列ができる人気店に並んだとしましょう。
30分も待ったのになかなか順番が回ってきません。まだ半分くらいしか進んでいません。
そんなとき、「せっかく30分も並んだのだから」と思ってそのまま並び続けるケースは結構ありますよね。
しかし、こういった思考こそ変えていかなければならないものなのだったのです。
つまり、過去の損失は切り捨てるべきなのです。
身の回りには、もう始めてしまったから、これだけの時間とお金を費やしたのだから、もう資格をとったから・・・というものがたくさんあります。
人には、変化や未知のものを避けて、現状を維持したくなる「現状維持バイアス」という心理もはたらくため、なかなか変われないという状況に陥ってしいがちです。
この、現状を維持したくなる考えを変えていくのがエッセンシャル思考です。
どんなに時間とお金をかけたものであっても、ゼロベースで「本当に大切なのか?」と考え、90点に達しないのであれば、切り捨てていく勇気が必要です。
「これをやめることで、本当にやりたいことややるべきことに時間とお金を使えるとしたら、ワクワクする」という考え方にシフトしていくことで、過去の損失を切り捨てることが可能になります。
NOをうまく伝える
なんでも引き受ける「いい人」を続けていく限り、仕事で成果をあげることは難しいです。
頼まれた仕事について、本当に大切なのか重要なのかを考え、そうでなければNOという勇気を持つことが重要です。
とはいえ、NOを伝えるのは難しいですよね。
私も経験がありますが、NO伝えたことで、なんとなく空気感が悪くなる場合があります。うまくやらないと、人間関係がストレスになりエッセンシャル思考どころの話ではなくなってしまうこともあるでしょう。
本書には断り方のレパートリーも紹介されています。断る勇気が持てない人にとっては、かなり参考になると思います。
本書には次のよう、な記述もありとても共感できました。
いい顔をして好印象を与えるよりも、敬意を手にれる。
敬意を手に入れるというのは、「それぞれが、本当に大事にしていることをお互いに理解し合うこと」です。
時には断ることで、相手の機嫌を損ねてしまうこともあるでしょう。
でも、それぞれが大切にしていることを理解しあえる人間関係こそが、本物であると思います。
3 しくみ化

3つめのサイクルは「しくみ化」です。
頑張らなくても実現できるしくみをつくる技術が紹介されています。
「努力と根性でやり遂げる」のは、もはやエッセンシャル思考ではありません。
それでは、私の共感した3項目についてご紹介します。
障害を取り除く
短時間に大きな成果をあげるにはボトルネックを探すことが大切です。
ボトルネックとはシステム全体の足手まとい、邪魔になっているもののことです。
つまり、仕事や日々の生活の中で、「何が自分の進みを妨げているのか」を特定していく技術です。
例を挙げておきます
ボトルネックと改善策
・情報が足りない → 情報を集めることを優先
・疲れている → 疲れない方法を考える。休息をとる。
・完璧主義 → 完成度よりもスピードを重視。80%でOKとする。
早く小さくはじめる
毎日1センチでいいから、より良い未来に近づくことをやろう。(ダグ・ファイアボー)
心理学の研究によると、人間のモチベーションに対して最も効果的なのは「前に進んでいる」という感覚なのだそうです。
たとえ小さくても、この「前に進んでいる」という手ごたえがあれば、未来の成功を信じることができ、そのまま進み続けようという力になります。
「日々のささやかな進歩」こそがやる気を引き出し、高いパフォーマンスを可能にするというわけです。
「前に進んでいる」感覚をつかむための具体的なテクニックとして
- 完璧にするよりまず終わらせろ
- 早く小さく始める
が共感できました。
あるプレゼンテーションの名手は、半年前から準備を始めているそうです。もし数週間後や数か月後にプレゼンテーションがあるなら、今すぐ新しいファイルを開いて、4分間でいいから思いつくことを書き留めます。そして、4分たったらファイルを閉じます。長すぎてはいけないそうです。
始めることが大事だということがよく示している例です。
まとめると
「早く小さく始めることが大事」
すごいことをやるぞ× → 小さな成功をこつこつと〇
今このときを生きる
エッセンシャル思考の人は、今ことのときに集中しています。
逆に非エッセンシャル思考の人は、過去や未来に気をとられ、今を生きることを忘れてしまっています。
過去や未来のことに思い悩まず「今このときを生きている」から、目の前の仕事に没頭でき、余計な考えにエネルギーが奪われることもないのです。
では、「今このときを生きる」「今この瞬間に集中する」ためにはどうすればいいのでしょうか?
本書で紹介されているテクニックは以下の通りです
「今、何が重要か」を考える
今やらなくてはならないことは、「今、何が重要か」を決めることです。
やることが多すぎて何から手を付けていいかわからないときは、まずは考えるのをやめて、深呼吸し、心を落ち着けて、「今この瞬間に何が重要か」を考えましょう。
未来を頭の中に抱え込まない
頭の中に未来のことが詰まっていると、今この瞬間に集中できません。
今この瞬間に集中するためには、頭の中にあるものを紙に吐き出すことが有効です。
日記に「この先やりたいことは何か?」に対する答えを書き出してみましょう。
優先順位をつける
「今すぐやるべきこと」のリストができたら、優先順位の番号を振って、順番に片づけていきましょう。
1度にひとつのことに集中し、終わったら線を引いて消していきます。
まとめ
最後にエッセンシャル思考についてまとめておきます。
エッセンシャル思考とは
「自分にとって本当に重要なものを見極め、そこにエネルギーを集中させることで最高のパフォーマンスを発揮していく思考法」
そして、エッセンシャル思考を身につけるためには「見極める」「捨てる」「しくみ化」のサイクルをまわしていくことが必要です。
「見極める」「捨てる」「しくみ化」のサイクルをまわし、エッセンシャル思考を身につければ、もう怖いものはありません。
この本は本当にめちゃくちゃいい本です!
はっきりいって、感動しました。
ぜひ多くの人に手に取って読んでほしいと心から思える本でした。
みなさんも本書を読んで、エッセンシャル思考を身につけていきませんか?
マンガ版もありますので、ここからはじめるのも良いかもしれません。
エッセンシャル思考を身につける旅はスタートしました。
自分の人生を自分で選び、「より少なく、より良い」生き方をしていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。