・ 計算の順序をきちんとマスターしたい!
・ 高校数学を勉強するための基礎を固めたい!
こんな悩みに答えます。
本記事では四則演算(+,-,×,÷)における「計算の順序」について解説します。
✔︎本記事の内容
・計算の順序はこれだけ覚えればOK
・練習問題にチャレンジ
・計算順序には例外もある!?
高校に入ると「計算の順序」「知っていて当然のルール」であり,改めて確認することは少なくなります。
しかし,計算が苦手な生徒は,この計算順序をきちんと理解していないケースが結構あります。
計算の順序は本記事の内容を覚えておけば,まず困ることはありません!
後半では「計算の順序の例外」についても触れていますので,ぜひ最後までお読みください。
それでは,さっそく見ていきましょう。
「計算の順序」はこれだけ覚えればOK!
四則演算(+,-,×,÷)は以下の順序で行います。
この優先順位を覚えておけばまず困ることはありません!
計算は以下の順番で進めます。
【計算の順序】
① カッコの中
② 2乗,3乗など(累乗という)
③ \( \times ,\; \div \)
④ \( + ,\; – \)
※同じ順位どうしの場合 → 左から計算!
※2乗,3乗,\( \cdots \) のことをまとめて「累乗(るいじょう)」と呼びます。
「同じ順位どうし」というのは,主に③と④の場合です。
例を見てみましょう
【例】
\[ 10-4+3\]
上の式では,「-」と「+」がありますが,これらは「同じ順位④」です。
この場合は,左から順に計算を進めます。
\begin{align*}
10-4+3=6+3=9
\end{align*}
左から計算を進めずに,\( 4+3 \) から計算してしまうと
\begin{align*}
10-4+3=10-7=3
\end{align*}
となり,間違いとなりますので注意しましょう。
練習問題にチャレンジ!
それでは,練習問題を解きながら「計算順序」を身につけていきましょう!
再度,「計算の順序」をのせておきますね。
【計算の順序】
① カッコの中
② 2乗,3乗など(累乗という)
③ \( \times ,\; \div \)
④ \( + ,\; – \)
※同じ順位どうしの場合 → 左から計算!
問題1
\( 2\times (3+4) \)を計算しなさい。
【解答】
「計算順序①」により,カッコの中を先に計算します。
\begin{align*}
2\times (3+4)&=2\times 7\\
&=14
\end{align*}
問題2 \( 8-2\times 3 \)を計算しなさい。
【解答】
「計算順序②③」より,「-」より「×」を先に計算します。
\begin{align*}
8-2\times 3&=8-6\\
&=2
\end{align*}
問題3
\( 9+3\times 2^2 \) を簡単しなさい。
【解答】
「計算順序②③④」から「2乗」→「×」→「+」の順に計算をします。
\begin{align*}
9+3\times 2^2&=9+3\times 4\\
&=9+12\\
&=21
\end{align*}
問題4
\( 12\div 2\times 3 \) を簡単しなさい。
【解答】
この式では,「÷」と「×」がありますが,これらは「同じ順位③」です。
したがって,左から順に計算を進めます。
\begin{align*}
12\div 2\times 3&=6\times 3\\
&=18
\end{align*}
【誤答例】
左から計算を進めずに,\( 2\times 3 \) から計算してしまうと,
\begin{align*}
12\div 2\times 3&=12\div 6\\
&=2
\end{align*}
となり,間違いとなりますので注意しましょう。
計算順序には例外もある!?
今回ご紹介した「計算順序」には例外もあります。
それは,次の”結合法則”を使う場合です。
結合法則
”結合法則”という名前は難しそうですが,実際には小学校で習うやさしいものですので,安心してください!
【結合法則】
「たし算」または「かけ算」のときだけ成り立つ法則です。
\( A+(B+C)=(A+B)+C \)
\( A\times (B \times C)=(A\times B)\times C \)
カッコは先に計算するので,結合法則を一言で言うと
「たし算だけの式」「かけ算だけの式」は
どこから計算してもOK!
ということが言えます。
計算法則の例外【結合法則を利用した場合】
結合法則の具体例を見てみましょう。
【例1】
\[ (2+3)+4=2+(3+4) \]
カッコは先に計算するので,上の式は
「\(\; 2+3\; \)を先に計算してから\(\; 4 \; \) を足しても,\(\; 3+4\; \)を先に計算してから\(\; 2 \; \) に加えても,同じ結果になる」
ということを意味しています。
【例2】
\[ (2\times 3)\times 4=2\times (3\times 4) \]
この式も同じように
「\( \; 2\times 3\; \)を先に計算してから\( \; 4 \; \) をかけても,
\( \; 3\times 4\; \)を先に計算してから\( \; 2 \; \) にかけても,同じ結果になる」
ということを意味しています。
つまり,「たし算のみ」または「かけ算のみ」の計算はどこから計算しても,結果は同じになるのです!
同じ順位どうしの計算は「左から計算」というルールでしたが,「たし算のみ」「かけ算のみ」の計算の場合は,どこから計算しても大丈夫です。
これが計算順序の例外です。
「ひき算」と「わり算」も結合法則が使える?
結合法則は「ひき算」や「わり算」では使えません。
ただし,「ひき算をたし算に」「わり算をかけ算」に直せば,結合法則を使うことができます!
例を見てみましょう。
【例3】
ひき算をたし算に直す場合は,マイナスの前に「+」が省略されている事実を使います。
\[ 2-3-4=2+(-3)+(-4)\]
このようにひき算は負の数のたし算に直すことができます。
すべて「たし算」に直すことができれば,どこから計算しても大丈夫です。
\( \; 2+(-3)\; \) を計算してから\( \; (-4)\; \) をたしても,\(\; (-3)+(-4)\; \) を計算してから\( \; 2\; \) に加えても,同じ結果となります。
【例4】
わり算をかけ算に直すには,分母と分子をひっくり返せばOKです。
\[ 3\times 4 \div 2 =3\times 4 \times \frac{1}{2} \]
このようにわり算をかけ算に直すことができます。
\( \; 2\; \) は\( \; \displaystyle\frac{2}{1} \; \) と同じですので,分母と分子をひっくり返すと\( \; \displaystyle\frac{1}{2} \; \)です。
このように,すべて「かけ算」の式に直すことができれば,どこから計算しても大丈夫です。
\( \; 3\times 4\; \) を計算してから\(\; 2\; \) をかけても,\( \; 4\times \displaystyle\frac{1}{2} \; \) を計算してから\( \; 3\; \) にかけても,同じ結果となります。
たし算のみ,かけ算のみの式にすれば,計算は左から順にする必要はなく,どこから計算しても大丈夫です。
まとめ
今回は「計算順序」について解説しました。
【計算の順序】
① カッコの中
② 2乗,3乗など(累乗という)
③ \( \times ,\; \div \)
④ \( + ,\; – \)
※同じ順位どうしの場合 → 左から計算!
四則演算(+,-,×,÷)は原則として上の順序で行うことを,覚えて使えるようにしておきましょう!
今回は以上です。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。