今回は、数学検定1級の「微分方程式」について、過去問分析をしてみたいと思います。
微分方程式は数学検定1級ではわりとよく出題されます。計12回分の過去問について、出題傾向を調べたところ、はっきりとした結果が判明しました。
分析の結果わかったことは、「微分方程式はほぼ毎回出題されている」ということです。したがって、「微分方程式」ができなければ、合格はかなり厳しい。
ちなみに、分析には以下のテキストや検定問題を使用しました。
●「完全解説問題集 発見」7回分
●「合格ナビ!1級1次」 巻末の過去問 2回分
●最近の検定問題「第336回」「第339回」「第344回」の3回分
それでは、まずは出題傾向の概要からご紹介していきます。
微分方程式の出題傾向(概要)
微分方程式は毎回出題されていました。
ただし、1次検定か2次検定どちらかでの出題です。詳しくは、後述する表を参考にしてみてください。
【結論】微分方程式は
「1次」または「2次」のどちらかで出題される
出題されていたのは以下通りでした。
・変数分離型・・4題
・1階同次型・・1題
・2階線形(同次)・・1題
・2階線形(非同次)・・4題
・4階線形(非同次)・・1題
・連立微分方程式・・1題
「変数分離型」と「2階定係数線形(非同次)」が圧倒的に多いです。
「同次」「非同次」とはざっくり言うと、同次→右辺が\( 0\) 、非同時→右辺が\( =x\)の関数であるタイプのことです。
今回調べた検定問題だけを目標にするのであれば、次のようなやさしめの問題集1冊だけでも対策は可能ということになります。
各検定ごとの微分方程式の出題傾向
それでは、過去12回分の出題傾向を表にまとめてみます。
「×」は微分方程式の出題がなかったことを示しています。
【微分方程式の出題傾向】
1次 | 2次 | |
発見1回 | 2階線形非同次 | × |
発見2回 | × | 連立微分方程式 |
発見3回 | 1階同次 | × |
発見4回 | × | 変数分離 |
発見5回 | 変数分離 | × |
発見6回 | 2階線形非同次 | × |
発見7回 | × | 変数分離 |
合格ナビ1 | × | 2階線形非同次 |
合格ナビ2 | × | 2階線形同次 |
336回 | 変数分離 | × |
339回 | 2階線形非同次 | × |
344回 | × | 4階線形非同次 |
このように、毎年必ず出題されています。
さらに、2次の必須問題7(微分積分)について、分かったことが
◎1次で微分方程式が出題 → 2次は微分方程式を含まない微分積分の問題
◎1次で微分方程式の出題なし → 2次は微分方程式を含めた問題
という傾向です。
これは、はっきりとわかりますね。
「なんか、微分方程式ってよく出題されているなあ」と思っていましたが、調べてみてその理由がよくわかりました。
【注意】2次検定の微分方程式は、微積分との融合問題であるタイプも多いです。
まとめ 微分方程式は完全マスタ―せよ
今回は数学検定1級の「微分方程式」について、過去問分析をしてみました。
●1次か2次のどちらかで必ず出題されている
●ほとんどが基本的な問題
●変数分離型と2階線形型は頻出
1級合格のためには「微分積分」「線形代数」が必須ですが、「微分方程式」も絶対に外せない分野だということがわかりました。
微分方程式の勉強は基本的な問題であれば「パターン学習」でなんとかなります。
(勉強法については、改めて記事を書きたいと思っています)
ぜひ「微分方程式」を得意分野にして、1級合格を目指しましょう!