2019年10月、数学検定1級に無事合格することができました!
今回は数学検定1級の合格体験記を公開します。
数検1級受検を決意したのは約1年2ヶ月前の2018年9月。
働きながら、しかも子育てをしながらの勉強。忙しい日々でしたが、3回目の受検で何とか合格を手にすることができました。
1年2ヶ月の軌跡や、過去に受検した3回分の成績も公開していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
数検1級受検のきっかけは「息子の算数検定」
私はかつて、塾・予備校の講師として働いていたことがありました。その関係で、いつかは数学検定の最高峰でもある「1級」を目指したい。そう思っていました。
しかし、日々の忙しさもあり、なかなか行動に移せない時期が続きます。気がつけば数学検定1級を受検したいという気持ちも薄れていきました。
息子の算数指導に熱が入る
その後、結婚し子供が生まれます。子育てと仕事に奔走する毎日が続きました。
息子が3歳になったころから、数の概念を教えていきました。やたらと数字に興味を示す息子が年中になったとき、ためしに「算数検定11級」を受検させてみました。
その結果は見事合格!
ちなみに「算数検定11級」は小学校1年生程度の内容です。
それ以来、毎年、算数検定を受け続け、11級、10級、9級、8級、6級まで取得(7級は飛ばし)。
さらに小学2年生になってからは数学検定の5級、小学3年生で4級に合格しました。4級は中学2年生レベルですので、かなりの先取りです。
かなり熱を入れて数学を教え込んでいる自分もいました(笑)
息子の素朴な思い「大人ならば1級に合格できる!」
そんな息子と以前、こんな会話したのを覚えています。
息子「パパは数検何級持ってるの?」
私「パパは数学検定もっていないんだよ」
息子「えー?もってないの?でも大人だから1級受かるでしょ?」
私「いや、1級は無理だよ。準1級なら受かると思うけど・・・」
息子「え?だって1級には”一般”って書いてあるよ。」
「だから、パパは1級受かるよ!」
会話はそこで終わりましたが、息子は「大人」ならばみんな「1級」に合格できると思い込んでいたようです。
数学検定のホームページでは、各階級の受検の内容紹介があります。そこには確かに、「準1級は高校3年程度」「1級は大学程度・一般」と記載されています。
「一般」は「大人のこと」と教えたことがありました。だから「大人はみんな1級に受かる」と思い込んでいたようです。
息子に勧められて受検を決意!
息子の指導を通して、自分自身も数学検定を受けてみたいという気持ちが再び沸き起こってきました。
そして、ちょうどそのタイミングで息子に数学検定を受検を勧められました。
「パパも受けてみたら?」
あるとき、1級の問題をWebから印刷するようせがまれ、問題を解かされました(笑)
当然、大学の数学の内容などほとんど忘れていて、全然解けませんでしたが・・・
そしてその後、息子にこう宣言している自分がいました。
「よし。それじゃ、パパも数学検定受けるから、○○も頑張れ」
「でも、準1級からだよ。検定に慣れていないからね。」
言ってしまいました!
もうやるしかありません。
これが、数学検定受検のきっかけです。
まずは数学検定準1級チャレンジ
半年以上の勉強を経て、検定に慣れるためにも、まずは数学検定準1級にチャレンジすることにしました。
受検したのは2018年の7月に行われた第322回検定です。
このときは、確か息子も一緒に数学検定5級を受検しました。久しぶりの受検。結構緊張したのを覚えています。
準1級受検体験記は以下の記事をご覧ください↓
3週間後に結果がとどき無事合格!
その後、本格的に1級の勉強を開始します。
数学検定1級チャレンジ1回目
2018年の9月頃から、本格的に数学検定1級のための勉強を始めました。
受検予定を早めるメリット
当初は1級を約10か月後の6月に受検しようと思っていました。
「6月に受けるとしたら、残り約10か月しかない。この日数だとかなり厳しい。それでも自分を追い込んで頑張ろう!」
そう思ってのスタートです。
1級は出題範囲が多岐にわたっていますので、結構な時間が必要です。
ところが、あるとき心境の変化が訪れます。
「どうせ、6月に受検しても受からないなら、4月の検定に申し込んで1回でも多く受検を経験しておこう。受検機会が増えれば合格への可能性も高まるはず。」
こうして、6月に受検の予定を「2019年の4月」受検に切り替えました。
結果として、この選択は正解でした!
受検を早めたことで得られたメリット
◎締め切り効果で勉強効率UP
◎過去問が手に入る
◎検定に慣れることができる
受検日程を早めたことで得られた一番のメリットは「締め切り効果」です。
4月までに一通りの学習を終わらせなければいけませんので、結構追い込まれました。
検定までの期間が8か月間ですので、効率の良い勉強をしなければ絶対に間に合いません。
受験日程を早めたことで、集中して勉強に取り組むことができた思っています。
大量の問題集を繰り返す毎日
受検すると決意してからは、問題集を大量に買い込んで、スキマ時間をフル活用しました。
思い出してみると、結構ストイックに頑張っていました。
具体的な勉強内容については以下の記事をご覧ください↓
まずは、マセマシリーズで「微分積分」「線形代数」「統計」の基礎を徹底的に頭に叩き込みます。できるだけスピードを上げて、2回、3回と繰り返しテキストの問題を解いていきました。
年が明けてからは微分方程式の勉強も開始。
さらに、微積と線形代数は「準拠テキスト」に入ります。このテキストも何度も繰り返しました。
受検するまでに、ここまでは終わらせたいという範囲はありましたが、結局4月までに終えることはできませんでした。
1回目の検定結果
そして、2019年4月の336回検定に挑みます。
【第336回検定 結果】
自分の点数 | 平均点 | |
1次 | 4.5点 | 3.5点 |
2次 | 2点 | 1.5点 |
合格点は1次が5点、2次が2.5点ですので、結果「不合格」でした。
やはり、1級は難しかった。
1次、2次ともに0.5点足りませんでした!
残念でしたが、まあ、いちおう想定内です。
もちろん合格する気で、本気で挑みましたが、自分の中では6月に受ける検定が本命。
本番でどのくらい得点できるか見当もつきませんでしたが、残りあと0.5点ということで、先が見えてきた気がしました。
数学検定1級チャレンジ2回目
2回目のチャレンジは2019年6月に行われた「339回検定」です。
受検に迷いが生じる
4月に1回目のチャレンジを終えて、6月の検定日まで、あまり時間はありません。
ここで、迷いが生じました。
「6月の検定はパスして、10月に受検しようかな。もう少ししっかりと勉強してからの方がいいかも。」
しかし、自分を甘やかしてはいけません。せっかく、あと少しのところまでたどり着いたのですから。
6月の検定も受けて、自分を追い込むことにしました!
「検定は受けるからこそ実力がつく」を信念に頑張ることを決意します。
迷いを断ち切り、6月の検定に申し込みました。1回目不合格の結果が分かったのが5月のGW中。その後の申し込みですので、勉強できる期間は2ヶ月もありません。
この2ヶ月弱はかなり集中して勉強しました。
2回目の検定結果
そして、2019年6月の339回検定に挑みます。
【第339回検定 結果】
自分の得点 | 平均点 | |
1次 | 5.0点 | 2.8点 |
2次 | 1.5点 | 1.2点 |
何度受けても1級は難しいです。
合格点は1次が5点、2次が2.5点ですので、結果「1次合格」でした!
1次、2次ともに前回より平均点が結構下がっています。
そんな中で1次検定だけでも合格できたのは自信につながりました。
合否結果が判明したときの様子は以下の記事をご覧ください。
個別成績票はこちら↓
【数学検定1級】第339回数学検定の個別成績表を公開〔1次検定編〕微分方程式おすすめテキストもご紹介
【数学検定1級】第339回数学検定の個別成績表を公開〔2次検定編〕
受検報告です↓
ここで1次検定だけ合格できたのは、非常に大きかった。
おかげで、3回目のチャレンジにおいて、2次検定の勉強だけに集中することができました。精神的にも時間的にもかなりの負担減です。
失敗を恐れずに受検して本当に良かったと思っています。
数学検定1級チャレンジ3回目
3回目のチャレンジは2019年10月に行われた「344回検定」です。
2回目受検からわりと時間がありましたので、今までの問題点を洗い出し対策を立てます。
自分の場合は計算ミスの多さが問題。検定本番では考えられないミスが続いていました。
この期間では計算力を鍛えるためにも、準拠テキストの問題をすべて解きなおしました。過去問も2回、3回と繰り返します。
勉強の途中経過については以下の記事をご覧ください。
【数学検定1級にチャレンジ】検定まで残り3週間。学習の進捗状況をご紹介します!
3回目の検定結果
2019年10月の344回検定に挑みます!
【第344回検定 結果】
自分の得点 | 平均点 | |
1次 | スミ | 3.3点 |
2次 | 2.9点 | 1.6点 |
1次は前回合格していますので受検していません。
2次の合格点は2.5点ですので、結果「合格」となりました!!
3度目の受検ということもあり、本当に嬉しかったです。Web上で「合格」の文字を見た時は、ガッツポーズをして声を出して喜んでいました!
チャレンジ3回目の合否確認の様子はこちらをご覧ください↓
【数学検定1級】第344回検定の合否をWebで確認!チャレンジ三度目の結果は?
検定当日の奮闘記はこちらをご覧ください↓
【数学検定】第344回「数学検定1級」の受検報告〔2次検定編〕
詳しい個別成績票です↓
【第344回】数学検定1級の個別成績票を公開「合格できた要因も分析」
合格できた2つの要因
ここでは、数学検定1級に1年2ヶ月ほどで合格できた要因を探ってみます。
準備不足でも受検を続けたこと
私の場合、準備が間に合わないと分かっていても、検定を受けに行きました。
主な理由は先ほども紹介しましたが、以下の通りです。
「締め切り効果を利用する」
「検定に慣れる」
「過去問を手に入れて勉強する」
最初に受検を決意したときは、1年後くらいをめどに受けようと思っていました。
しかし、ハードルの高い数学検定1級。1年間勉強したからといって1回で受かるとは限りません。準備をしっかりとしてから受けるのではなく、受検しながら力を伸ばしていこうと考えました。
これが良い結果をもたらしたと思っています。
1回目のチャレンジで得たもの
- 当初より1回早く受検したので、締め切り効果で勉強効率UP
- 過去問が手に入り勉強になった
- 自分の実力と弱点がわかった
- 自信がついた
- 時間制限を設けた良いトレーニングができた
2回目のチャンレンジで得たもの
- 1回目のチャレンジから2ヶ月弱しか時間がなかったため、集中して勉強できた
- 1次合格できたことで自信がついた
- 1次合格できたことで2次の勉強に集中できた
- 1次合格できたことで気持ちが楽になった
- 過去問で力をつけることができた
- 時間制限を設けた良い練習ができた
状況が厳しいと分かっていても、とにかく受検することで、たくさんの得るものがあります!
1級の受検戦略がうまくいったこと
私は、働きながら、しかも子育てをしながらの受検でしたので圧倒的に時間が足りません。そこで、2次検定に関しては次のような戦略を立てて勉強を進めました。
数学検定1級合格のための3つの戦略
①必須問題の「微分積分」と「線形代数」で8割を目指す
②選択問題は「統計」を選択し8割以上目指す。できれば満点。
③残りの1問は部分点狙い
①の微分積分と線形代数は大学数学の要となる重要な分野ですので、力を入れるのは当然です。私は、微積・線形代数の他に「統計」に力を入れました。
「統計」は比較的短期間で仕上がり、得点もしやすい分野でした。
「統計」を選択するメリットや勉強法については、以下の記事を参考にしてみてください。
③の「部分点を狙う分野」は「問題1の整数・方程式」「問題2の級数・極限」「問題3の幾何・ベクトル」のどれかです。ここはヤマをかけていません。
できそうな問題があればラッキーくらいに考えていました。
さいごに
今回、数学検定1級にチャレンジして本当に良かったと思っています。
目標があるので毎日の生活にメリハリが生まれました。
日々成長できることを実感できる喜びがありました。
試験という非日常を味わうことができました。
「チャレンジする」ということは「大きな喜び」でもあります。ぜひ、この喜びを多くの方にも体験してほしいと思っています。
これで、数学検定1級の合格体験記は終了です。
ここまで、お読みいただき本当にありがとうございます。
これからも、新たなことにチャレンジを続けるとともに、大好きな数学の勉強をつづけていきたいです。