10月27日に受検した数学検定1級の合格証と個人成績票が届きました!
1年と2ヶ月の努力が報われてうれしいです。
今回は、私が受検した「第344回数学検定1級」の個別成績表を公開したいと思います。
Webでの合否確認と予想得点を書いた記事はこちら↓
【数学検定1級】第344回検定の合否をWebで確認!チャレンジ三度目の結果は?
1級受検当日の奮闘記はこちら↓
【数学検定】第344回「数学検定1級」の受検報告〔2次検定編〕
数学検定1級の個別成績票〔2次検定のみ受検〕
「個別成績票」には、「得点」「平均点」「各設問の正誤と正答率」「受検者全体の得点分布」「合格者全体の得点分布「2次合格者の問題選択状況」等が掲載されています。
こちらが、今回の受検結果と設問別正答・正解率です。
2次検定は、4点満点中「2.5点以上」で合格です。
今回は2.9点取ることができました!
1次検定は以前受検したときに合格しました。合わせ技で、1級合格です!
1次検定の成績についてはこちらの記事に書いています。ギリギリ5点で合格でした。
【数学検定1級】第339回数学検定の個別成績表を公開〔1次検定編〕微分方程式おすすめテキストもご紹介
問題2の正答率が低い!確かに難しかったです。全体の正答率が2.4%、合格者正答率も22.5%。私が過去受検した中では最も低い正答率である気がします。
予想得点と感想
事前の予想得点と実際の得点は以下の通りです。
予想得点 | 得点 | |
問題1(整数) | 0.3 | 0.7 |
問題4(統計) | 1.0 | 1.0 |
問題6(線形代数) | 0.3 | 0.2 |
問題7(微分方程式) | 0.9 | 1.0 |
合計 | 2.5 | 2.9 |
問題1(整数)は(1)がミス、(2)は「互いに素」の説明を入れなかったため、0.3点と予想しました。実際にはここが0.7点!予想外でした。
おそらく(2)の配点が高かったのでしょう。あるいは、(1)も最後の最後で式変形をミスしましたので、部分点をもらえたのかもしれません。ラッキーです!
問題6(線形代数)は(1)はできましたが、(2)がほぼ白紙。(1)だけで0.3点はあるかなと甘く見ていましたが、実際には0.2点でした。(2)の証明の配点は大きかったようです。
問題7(微分方程式)は、\( C_1\) や \( C_2\)などが任意定数であることを書き忘れたと思い、0.9点と予想しました。実際には減点されていませんでした。
得点分布と2次合格者の問題選択状況
こちらで、詳しい得点分布を見ることができます。
2次合格者の問題選択状況がいつも気になります。
今回は問題1、問題4、問題5を選択した受検者が多かったようです。
私も、問題1と問題4を選択しました。
前回と同様、20代の受検者・合格者が圧倒的多数を占めています。大学で一通り数学を学んで、その流れで受検する方が多いのでしょうか?
いつも思うのですが、60歳以上の方の合格者が一定数います。すばらしいです!
合格できた要因
2次検定の合格点は4点中2.5点。前々回の検定では2.0点、前回の検定では1.5点しか取れませんでした。
統計と微分方程式で満点が取れたこと
もともと私の戦略は次のようなものでした
- 必修の線形代数と微分積分で8割とる
- 選択問題は統計。これも8割はとる
- 残りの1問は部分点狙い
問題4の統計は「\(t\)検定」の問題でした。統計分野をわりとしっかり勉強していたため、今回の問題は易しく感じました。データー数も少ないし、パターン化された問題です。前回は統計の計算ミスが不合格要因のひとつでしたので、慎重に電卓計算を進めました。時間はかかりましたが、ここで1点取れたのは戦略通りですが、大きかったです。
問題7(必修問題)では4階線形微分方程式が出題されました。\( n\) 階線形微分方程式は軽く流し読みをした程度の学習でしたが、結局は2階線形微分方程式を解く方法と方針は一緒です。問題を見た瞬間は「終わった」と思いましたが、なんとか得点できました。
整数問題での得点
統計以外でどの選択問題を選ぶかについては、試験終了ぎりぎりまで迷いました。このあたりは「第344回受検報告」に書きました。
最後にたどり着いたのが問題1の整数問題です。
整数問題に対してはもともと苦手意識ありました。合同式の練習はしていましたが、解けるのは基本的なものだけです。
今回の問題は「ウィルソンの定理」を使うもので、この言葉を見ただけで、ダメかなと思いましたが、取り掛かってみると意外に解きやすい問題でした。
(1)はできた!と思ったのですが、自宅に帰って見直してみると、最後の式変形で右辺の処理を忘れています!!ありえないミスです。やはり、時間がギリギリになるとミスの確率は上がってきます。2次検定で時間がたっぷりあると油断してはいけませんね。
(2)は互いに素の記述を入れ忘れました。でも配点に救われました。おそらく(2)の配点が高かったのでしょう。これも合格できた要因の1つです。
「過去問」で目新しい問題に慣れた
過去問については『数学検定1級「完全解説問題集」発見』を何度か繰り返しました。この過去問を解いているときが、一番実力がついたと思います。
準拠テキストや分野別問題集だけだと、どうしてもパターン化された問題が多くなります。
過去問では、見たこともないようなタイプの問題が出てきます。これらの問題を、頭に汗をかきながら、試行錯誤してチャレンジしていくことで、目新しい問題にもチャレンジしていく「体力」のようなものが付いた気がします。
これから受検するみなさんは、分野別テキストと並行して「過去問」と格闘する時間も、是非確保していただきたいと思います。
以下の問題集の巻末にも2016年、2017年の過去問がついています。
まとめ (2)の配点は高め
今回は個人成績票を公開し、採点基準や配点の考察をしてみました。
今回の結果だけを見てみると、1級の2次検定で大問が(1)(2)とわかれている場合、かつ(2)が証明や抽象的な問題の場合、(2)の配点がかなり高いということが分かりました。
この点はこれから検定を受ける皆さんには注意していただきたい点です。
今回ようやく「数学検定1級」に合格することができました。
もっともっと数学を勉強を続けるとともに、今後はこれから1級受検を目指す方の役立つような記事も増やしていこうと思っています。
参考までに、最近書いた記事を載せておきます。
【数学検定1級】勉強法とおすすめ参考書・問題集「準拠テキスト微分積分編」
【数学検定1級】勉強法とおすすめ参考書・問題集「準拠テキスト線形代数編」
【数学検定1級】勉強法とおすすめ参考書・問題集「合格ナビ!数学検定1級1次 解析・確率統計」
【数学検定1級】勉強法とおすすめ参考書・問題集「合格ナビ!数学検定1級1次 線形代数」
数学検定を受検する皆さん、一緒に頑張りましょう!